マカオ衛生当局がヒトメタニューモウイルス感染症に注意呼びかけ

 マカオ政府衛生局(SSM)は12月26日、近日中国本土の衛生当局からヒトメタニューモウイルス(Human Metapneumovirus、略称=hMPV)感染症が増加傾向にあるとの情報があり、公衆とメディアの関心を呼んでいるが、目下のマカオにおけるhMPVの状況は落ち着いているとした上、冬から春にかけてはインフルエンザウイルス、新型コロナウイルス、hMPVなどの呼吸器系感染症の活発化が予想されるとし、マカオ居民に対して予防措置を講じるよう呼びかけを行った。

 SSM公衆衛生研究所の呼吸器疾病検体モニタリングによるマカオにおけるhMPVの平均陽性検出率は2024年が6.7%となっており、2021〜2023年の4.6〜6.1%と比較してやや高いものの、落ち着いた状況にあるとの見方を示した。直近では、冬の到来とともに、2024年第47週の7.0%から48周には15.7%に上昇したものの、50週には10.3%へ下落しているという。SSMでは、救急外来及び衛生ステーションを事前アポイントメントなしで訪れる受診者数の推移を注視しながら、状況に応じて医療スタッフの増員を行う予定を示した。

 SSMによれば、hMPVは2001年に初めて発見されて以来、世界中でみられる一般的な急性呼吸器ウイルスであり、マカオでは年間を通じてみられ、春季に多いとのこと。潜伏期間は通常3〜6日、主な症状は発熱、咳、鼻づまり、呼吸困難、息切れといった呼吸器系症状で、気管支炎や肺炎を引き起こすこともあるが、通常は軽症で自然治癒するという。このほか、高リスク群として、乳幼児、高齢者、免疫力の低下した人、慢性疾患の患者を挙げ、hMPVに対するワクチンはなく、治療は主に対処療法とした。

マカオ政府衛生局(写真:GCS)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオで複数の統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナ社は12月27日、同社がコタイ地区で…
  2.  マカオ政府衛生局(SSM)は12月26日、近日中国本土の衛生当局からヒトメタニューモウイルス(H…
  3.  マカオでは、返還記念日(12月20日)から冬至(21日)、日曜日(22日)、冬至の振替休日(23…
  4.  マカオ政府統計調査局は12月26日、昨年(2023年)のマカオ居民(個人及び機構を含む)がマカオ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は12月25日午後9時から約15分間にわたって「マカオ特別行政区成立…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年1月号
(vol.139)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun