マカオ、2024年通期のカジノ売上は23.9%増の約4.4兆円…予算達成率105%

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は1月1日、昨年(2024年)12月の月次及び年間通期のカジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)統計を公表。

 昨年12月のカジノ売上は前年同月から2.0%減の182.02億パタカ(日本円換算:約3580億円)で、対前月でも1.3%減。コロナ前の2019年同月から回復率は79.7%。

 12月はマカオのツーリズム業界における繁忙期となり、例年はカジノ売上が前月比で増となるが、昨年12月の特殊事情として、5年に一度となる中国中央のトップら要人のマカオ訪問があったことが挙げられる。この5年に一度の12月にカジノ売上がダウンするのは従来からあった現象のため、業界・市場では織り込み済み。

 12月の営業日は31日で、前月との比較で1日多い。1営業日あたりの平均売上は前月を0.27億パタカ(約5.3億円)下回る5.87億パタカ(約115.5億円)だった。

 昨年通期(1〜12月累計)のカジノ売上は前年から23.9%増の2267.82億パタカ(約4兆4607億円)。変動率は前月時点から2.9ポイント縮小。2019年からの回復率は77.5%。なお、昨年はすでに10月終了時点で前年通期を上回っていた。

 マカオは2023年1月初頭にウィズコロナへ転換し、アフターコロナがスタート。以降、2年連続でカジノ売上の回復が進んだ。昨年のマカオの財政予算上の年間カジノ売上目標は前年の1300億パタカ(約2兆5570億円)から2160億パタカ(約4兆2486億円)、月額にして180億パタカ(約3541億円)へ引き上げられた。結果、今年単月で予算木魚うを下回ったのは閑散期にあたる6月と9月の2ヶ月のみで、通期の達成率は105.0%に達した。なお、今年度財政予算におけるカジノ売上目標は2400億パタカ(約4兆7207億円)、月平均200億パタカ(約3934億円)に引き上げられる。

カジノのイメージ(資料)=本紙撮影

【資料1】2024年マカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:193.37億パタカ=約3804億円(67.0%減)
・2月:184.86億パタカ=約3636億円(79.1%増)
・3月:195.03億パタカ=約3836億円(53.1%増)
・4月:185.45億パタカ=約3648億円(26.0%増)
・5月:201.88億パタカ=約3971億円(29.7%増)
・6月:176.94億パタカ=約3480億円(16.4%増)
・7月:185.95億パタカ=約3658億円(11.6%増)
・8月:197.54億パタカ=約3886億円(14.8%増)
・9月:172.53億パタカ=約3394億円(15.5%増)
・10月:207.87億パタカ=約4089億円(6.6%増)
・11月:184.38億パタカ=約3627億円(14.9%増)
・12月:182.02億パタカ=約3580億円(2.0%減)
>1〜12月累計:2267.82億パタカ=約4兆4607億円(23.9%増)

【資料2】2013年〜2023年マカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約7兆0958億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約6兆9143億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約4兆5405億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約4兆3904億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約5兆2271億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約5兆9569億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約5兆7525億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約1兆1888億円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆7086億円(43.7%増)
・2022年:421.98億パタカ=約8300億円(51.4%減)
・2023年:1830.59億パタカ=約3兆6007億円(333.8%増)

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