マカオ、2024年11月の新規住宅ローン承認額が2ヶ月連続減に
- 2025/1/13 9:19
- 産業・経済
マカオ金融管理局が1月10日に公表した昨年(2024年)11月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが2ヶ月連続減、商業不動産向けが2ヶ月ぶり増だったとのこと。
昨年11月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から5.3%減の12.3億パタカ(日本円換算:約242億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが前月から4.8%減の11.8億パタカ(約233億円)で、全体の96.4%を占めた。非居民向けについても15.9%減の4400万パタカ(約8.7億円)に。直近3ヶ月でみると、昨年9〜11月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は18.6億パタカ(約367億円)で、同年8〜10月との比較で0.5%減。
新規商業物件向けローン貸付承認額は38.1%増の8.9億パタカ(約175億円)。このうち、マカオ居民向けが前月から28.7%増の8.1億パタカ(約160億円)で、全体の91.3%を占めた。非居民向けについても7700万パタカ(約13.8億円)まで増。直近3ヶ月でみると、昨年9〜11月の月次平均値は8.5億パタカ(約168億円)で、同年8〜10月との比較で2.6%減。
昨年11月末時点の住宅ローン融資残高は前月から0.2%減、前年同月から4.8%減となる2191.4億パタカ(約4兆3207億円)。マカオ居民が占める割合は96.7%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.1%減、非居民向けについては0.9%減。
商業物件向けローン融資残高は期内に複数の大口融資が完済されたことを受けて前月から0.8%減、前年同月から5.7%減となる1509.0億パタカ(約2兆9752億円)。マカオ居民が占める割合は91.9%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが0.9%減、非居民向けが0.2%増。
昨年11月末締めの住宅ローン延滞率は3.4%で、前月から横ばい、前年同月から2.6ポイント上昇。商業物件向けローン延滞率は4.8%で、前月から0.2ポイント下落、前年同月から2.4ポイント上昇。住宅ローン延滞率は昨年の年初から上昇が続いていたが、10月以降は下落傾向にある。
マカオでは一昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されていたが、不動産市場については高金利が続く状況と経済の先行き不透明感といった懸念材料も存在し、しばらくの間、取引件数・平均平米単価とも振るわない状況が続いていた。昨年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートし、同年4月20日から不動産価格加熱抑制策が全面撤廃されるに至った。最近、香港・マカオの銀行が米国の利下げに追随していることや、中国本土における住宅不動産市場が下げ止まったとみられることなどから、今後のマカオの動向が注目される。