ホテル客室稼働率と単価、本土経済の影響なし

今年(2014年)に入って中国経済の成長スピードが減速し、人民元の価値も約3%目減りしている状況の中、中国本土からマカオを訪れる旅客の平均消費も減少となった。しかしながら、ホテル価格については影響が見られず、客室稼働率、単価ともに安定して上昇している。

6月2日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。ホテル関係者によると、直近5カ月の客室稼働率、客室単価は昨年並みないしは軽微な上昇をしているとし、今後コタイ地区の大型リゾートの開業することでマカオ全体としての競争力が高まり、中国本土経済の減速に伴う影響を受けにくい状況になるとの見方。

マカオ政府旅遊局がホテル協会提供のデータを元に発表した今年1~4月のホテル客室稼働率は前年同期の86.17%から4.53%の上昇となる90.7%、客室単価は同1,449.2パタカから11.49%上昇となる1,615.8パタカ。そのうち、五ツ星ホテルの稼働率が91.01%、四ツ星ホテルが89.54%、三ツ星ホテルが91.74%、客室単価では五ツ星ホテルが1,897.4パタカ、四ツ星ホテルが1,087パタカ、三ツ星ホテルが1,270.8パタカ。

ホテル業関係者によると、価格上昇が著しいのは個人客が主体のホテルで、需要増に伴い価格の自然増が見られるという。一方、団体ツアー客をメインにするホテルでは、2~3週間前に予約が入ることから、客室価格は比較的安定し、価格もリーズナブルになっているとのこと。

今年4月のホテル宿泊ゲスト統計で台湾と韓国からの旅客が減少したが、当地における政治および社会事件による影響とみられる。また、中国本土旅客の間で東南アジア方面への旅行が流行していたが、ベトナムやタイなど現地の政情不安の影響で香港やマカオへ行き先変更をする動きもあるとのこと。

2012年から2013年初頭にかけ相次いで開業したサンズコタイセントラル内のホテル(資料)―本誌撮影

2012年から2013年初頭にかけ相次いで開業したサンズコタイセントラル内のホテル(資料)―本誌撮影

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