マカオ、カジノVIPルーム舞台の違法賭博事案摘発…ライブ中継して遠隔ベットさせる

 マカオ司法警察局は2月6日に会見を開き、前日(5日)マカオのカジノ施設のVIPルームを舞台にした中国本土の犯罪組織による違法賭博事案を1件摘発し、中国人(中国本土居民)の男3人(20〜30代)を逮捕したと発表。

 同局によれば、昨年(2024年)9月にコタイ地区に所在するカジノのVIPルームでスマートフォンを使って賭けの様子を動画撮影する手口の違法賭博が行われているとの通報が寄せられ、捜査に着手。その後の捜査で、犯罪組織の関与が明らかとなり、メンバーがマカオのカジノVIPルームからゲームの様子をライブ中継し、SNSのチャットグループを通じて遠隔ベットをさせていたことが判明したとのこと。

 2月5日、この犯罪組織の幹部のひとりとみられる男が仲間の男2人を伴い再びマカオのカジノVIPルームに現れたことから、配備を敷いていたところ、上述の違法賭博行為が確認されたため、逮捕。3人はライブ中継用のスマートフォン、小型イヤホン、勝敗記録メモなどを所持していたという。

マカオ司法警察局による会見の様子=2025年2月6日(写真:マカオ司法警察局)

 同局では、当日はこのVIPルームのテーブルで合計28万香港ドル(日本円換算:約545万円)をベットしたが、遠隔ベットでは2〜10倍の金額を集め、100万香港ドル(約1948万円)以上が動いていた可能性があるとの見方を示した。

 なお、この犯罪組織は、昨年8月からこれまでに11回にわたり、毎回30分から1時間にわたって中継を行い、実際の賭け金の総額は79万香港ドル(約1539万円)だったが、遠隔ベットされた金額は約536万香港ドル(約1億0422万円)に上るとみられるとのこと。同局では今回逮捕した3人を違法賭博経営罪で検察院送致するとともに、他に関与した10人以上のメンバーの行方を追っているとした。

マカオ司法警察局が公開した違法賭博事案に絡む証拠品の数々=2025年2月6日(写真:マカオ司法警察局)

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