マカオ、週次の歩行者による道路横断違反の検挙数は71件…6週ぶり2桁台まで下落

 マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進む中、歩行者による禁止場所及び赤信号での道路横断やいわゆるSNS映えスポット付近で道路にはみ出して写真を撮影するなどの違反行為などが目立っており、交通事故リスクの増大につながる懸念から大きな社会的関心事となっている。

 マカオ治安警察局は2月7日夜、同局として道路安全維持へ取り組み、歩行者の違反行為に起因する交通事故の減少を目的としたマカオ各所で監察及び違反行為に対する取り締まりを継続する中、1月27日から2月2日までの1週間で歩行者の道路横断違反を71件検挙したと発表。2週連続減(前週から57件減)で、6週ぶりに2桁台となった。

 同局が週次の取り締まり状況を定期的に発表するようになった一昨年(2023年)年9月18日以降、週次の検挙者数は昨年(2024年)4月15日から28日まで、6月3日から9日まで、8月12日から10月13日まで、11月4日から12月22日まで、今年1月27日から2月2日までの計18週間を除いて3桁の高位が常態化している。昨年(2024年)通期の検挙数は前年から58%増の7460件に上った。

マカオ治安警察局が違反頻発地点のひとつで実施した歩行者の道路横断違反に対する取り締まりの様子=マカオ半島・新馬路付近(写真:マカオ治安警察局)

 アフターコロナで現地の交通ルールに不慣れなインバウンド旅客や海外労働者の数が回復する中、同局ではパトロール及び取り締まりのほか、違反頻発地点への大型看板設置やSNSへの啓蒙動画掲載といった周知策を講じているが、依然として状況の改善には至っていない。このほか、歩道橋の整備などハード面での対策も進んでいる。今回の統計期間は年間最大の多客期となる旧正月の春節ゴールデンウィーク(中国本土で1月28日から2月4日まで8連休となる)を含み、今後の推移が注目される。

 同局によれば、マカオの道路交通法の規定により歩行者は横断歩道など適切な横断用表示のある場所で道路を横断することが求められ、また信号機のある場所では信号の指示に従う必要があり、付近50メートル以内に横断表示のある場所がないところでは車両の通行に影響がない場合に最短距離での横断できるとしたほか、道路使用者は交通を阻害してはならず、他の道路使用者の安全や利便性に影響を及ぼしてならないとし、違反した場合は300パタカ(日本円換算:約5700円)の罰金が科されるとのこと。

 同局は歩行者に対し、自身及び他の道路使用者の安全な通行を確保するため、不適切な道路横断や交通阻害行為をしないこと、また運転者に対しても事故防止の観点から路面状況に留意し、安全な車間距離とスピードを保ってほしいとし、人と車で譲り合い、共に安全な道路環境作りを進めるよう累次の呼びかけを行っている。

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