マカオIR運営MGMチャイナが2024年通期の業績発表…カジノ売上市場シェアなど過去最高に

 マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区でMGMコタイの両IR(統合型リゾート)施設を運営するMGMチャイナ社は2月13日、昨年通期(2024年1〜12月)の監査前業績を発表。

 同社発出資料によれば、グループの昨年通期の純収入は前年から27%増の314億香港ドル(日本円換算:約6154億円)で、コロナ前2019年の138%。調整後EBITDAは前年から25%増、2019年同時期の147%にあたる91億香港ドル(約1784億円)に上り、過去最高に。また、調整後EBITDAマージンはマス事業への集中と営業効率アップの継続により28.9%となり、2019年から170ベーシスポイント上昇。

 昨年通期のマカオの総合カジノ売上(カジノ粗収益/GGR)に占める同社グループの市場シェアは前年(15.2%)及び2019年(9.5%)からそれぞれ拡大し、過去最高の15.8%に達した。内訳はMGMマカオが6.5%、MGMコタイが9.3%。単日平均及びマスのGGR(スロットマシン含む)は前年同時期からそれぞれ29%、33%増、2019年のそれぞれ129%、179%に。

 また、昨年通期の同社グループホテルの訪問客数は前年から54%増、また2019年の163%だったとのこと。

 財務状況についても、昨年末時点の総流動資金は172億香港ドル(約3371億円)と安定を維持しているとした。

大型カジノIR「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区にて本紙撮影

 マカオでは、2023年1月から新コンセッション(10年間)がスタート。 MGMは入札評価点が6陣営の中でトップだった。改正カジノ法の施行後、 マカオのゲーミングテーブル台数にキャップ制が導入され、新コンセッションスタートに合わせて当局が各事業者への再配分を行った。 MGMチャイナはゲーミングテーブル配分において6陣営で唯一、従前から割り当て数が増加した事業者。同社の割当テーブル数は従前の552台から36%増の750台となっており、業績のボトムアップにつながっているとみられる。

 同社は昨年11月にMGMマカオに2000平米規模の「保利美高梅博物館(ポリーMGMミュージアム)」をオープン、MGMコタイで映画監督チャン・イーモウ氏と組み制作したレジデントショー『マカオ2049』の上演を開始したほか、マカオ半島南西部に位置する媽閣エリアの再活性化など、各種ノンゲーミング分野のイベント開催やコンテンツ拡充に取り組んできた。

 MGMチャイナ社長兼エグゼクティブダイレクターのケネス・フェン氏は今回の業績発表において「(アフターコロナで)マカオの回復が進み、多様化が進んでいることを嬉しく思うとともに、(カジノ経営)コンセッション契約を着実に履行し、ダイバーシティ化された国際的観光デスティネーションへの発展に寄与していく」としたとコメントした。

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