マカオ特別行政区の2024年末財政準備高は約11.6兆円…年間投資利益率5.3%、過去最高タイ

 マカオ金融管理局は2月28日、昨年(2024年)のマカオ特別行政区の財政準備運用状況を公表。

 昨年の財政投資利益は309.5億マカオパタカ(日本円換算:約5822億円)、投資利益率は過去最高タイの5.3%だった。昨年末時点の財政準備高は6162.1億マカオパタカ(約11兆5913億円)となり、内訳は基本準備が1533.9億マカオパタカ(約2兆8854億円)、超額準備が4628.2億マカオパタカ(約8兆7059億円)。

 同局では、昨年はインフレが徐々に落ち着いてきたことを背景に、多くの国の中央銀行が相次いで政策金利を引き下げたことは、金融市場にとって好材料となったが、世界の主要経済体の成長ペースがまちまちであったことや 地政学的な複雑さ、中央銀行の利下げに対する市場の期待が徐々に落ち着いたことなどから、金融資産価格は年末にかけて高値から下落したと指摘した上、世界金融市場のボラティリティにも関わらず、財政準備の資産配分をより多様化することで、リターンとリスクのバランスを補い合うことができたと評価。資産の全体的な流動性と安全性を維持する一方で、より低いリスクで安定したリターンを提供できる質の高い資産への配分に重点を置き、資本の保全と成長を達成するために上場株式のポートフォリオ構成を最適化したいう。

 今年(2025年)については、現在マカオは(コロナ禍からの)経済回復の重要な局面にある中、地積学的な不確実性がさまざまな資産価格に影響を与え続くけることが予想され、財政準備の運用上の課題とし、「安全、有効、安定」という基本原則を堅持し、ダウンサイドリスクの抑制、安全性と流動性の高い投資商品の比率を高めること、市場の状況に応じて適宜ポートフォリオの見直しを行うことに重点を置く考えとのこと。

 マカオの財政準備が創設された(外貨準備と別枠管理化)のは2012年のこと。これまでの投資利益率の最高は2020年と2024年に記録した5.3%。

 参考までにマカオ特別行政区の今年度財政予算における総歳出は1094.5億パタカ(約2兆0588億円)。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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