マカオの2025年1月貨幣・金融統計公表…銀行の不良債権比率が5.7%まで上昇

 マカオ政府金融管理局は3月3日、今年(2025年)1月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】
 流通貨幣が前月から8.4%上昇、通知預金が6.2%減となり、M1は2.1%下落。また、準通貨負債は0.5%増。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.3%上昇で、金額は7860億マカオパタカ(日本円換算:約14兆8320億円)に。前年同月との比較では、M1が0.7%下落、M2が6.4%上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが33.4%、香港ドルが44.5%、人民元が6.2%、米ドルが13.9%。

【預金】
 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高はわずかな上昇の7635億マカオパタカ(約14兆4074億円)、非居民による預金残高については5.4%増の3144億マカオパタカ(約5兆9328億円)、公共部門の銀行システムへの預金残高は0.5%上昇の2123億マカオパタカ(約4兆0062億円)となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は1.4%増の1兆2903億マカオパタカ(約24兆3483億円)で2ヶ月連続プラス。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ20.0%、46.2%、7.5%、24.5%。

【融資】
 地元民間部門への融資は前月から0.5%減の5138億マカオパタカ(約9兆6955億円)。対外民間部門への融資は0.3%増の4993億マカオパタカ(約9兆4219億円)。民間部門へ融資額は合計で0.1%減の1兆0130億マカオパタカ(約19兆1155億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ22.2%、44.3%、10.6%、19.5%。

【預貸率/不良債権比率】
 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年1月末時点で前月末から0.4ポイント下落の52.6%。非マカオ居民含む総体預貸率は0.2ポイント下落の79.5%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ63.7%、60.2%水準。このほか、不良債権比率は前月から0.2ポイント上昇の5.7%。このところ不良債権比率は上昇が続いている。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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