マカオ、賭博目的違法両替きっかけのトラブルによる監禁・脅迫事件発生

 マカオ司法警察局は3月3日、賭博目的違法両替をきっかけにしたトラブルによる監禁事件が発生し、マカオで賭博目的違法両替に従事する中国人(中国本土居民)の男女2人を逮捕したと発表。

 同局によれば、被害者はマカオで就労する中国人の男で、昨年(2024年)11月初旬に同郷のよしみで上述の男女と知り合い、余暇時間を利用したバイトとして男女と組んで賭博目的違法両替へ従事することになったという。男女は被害者に元手として28万人民元(日本円換算:約574万円)を提供し、被害者は毎日1000人民元(約2万円)を男女に支払う条件だったが、年末までに被害者が元手をカジノで使い果たしたため、支払いが滞るようになり、男女から元手の返済を求められるに至ったとのこと。

 その後、(2025年)2月28日に男女が別の女1人(逃走中)を伴って被害者の勤務先の店舗を訪れ、被害者をコタイ地区にあるホテルの客室へ連行。被害者は客室内で相手方の3人から身分証を奪われた上、妻を呼び寄せることを迫られ、また家族の安全に脅威が及ぶなどと脅され、借用書へのサインを強制されたが、これらを頑なに拒否し、金策のため同僚に電話をすることを許されたタイミングで監禁されていることを伝え、この同僚が同局へ通報し、事件が発覚したという。

 通報を受けた同局が3月1日夜に監禁場所のホテル客室へ踏み込み、被害者を救出するとともに、男女2人を逮捕。同局では2人を監禁(他人の行動の自由剥奪)、不当身分証没収、厳重脅迫の罪で検察院送致するとともに、逃走中の女1人の行方を継続して追っているした。なお、被害者と上述の男女はいずれも賭博目的違法両替に従事していたことも明らかとなったことから、別件で立案するとのこと。

 近年マカオでは「換銭党」と呼ばれる違法両替従事者らがカジノ施設内外で暗躍し、暴力、詐欺、窃盗、密航などさまざまな事件を引き起こしてきたことから、犯罪の温床として社会的問題化。対策の一環として、換銭党による違法両替行為を刑事罰の対象とするマカオの新法「打撃非法賭博犯罪法(違法賭博犯罪対策法)」が昨年(2024年)10月29日に施行されたばかり。

マカオ司法警察局(資料)=本紙撮影

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