マカオ、カジノVIP投資詐欺で中国人の女逮捕…偽造の香港IDカード所持も発覚

 マカオ司法警察局は3月10日、マカオのカジノVIPルームの株主を自称して投資詐欺を行ったとして、40代無職の中国人(中国本土居民)の女を逮捕したと発表。

 同局によれば、昨年(2024年)12月30日に投資詐欺被害の通報が寄せられ、被害者は、昨年2月に上述の女から自身はコタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ内にあるVIPルームの株主であり、このVIPルームに投資することで毎月4%の配当が得られると持ちかけられたいう。その後、同年5月に女に連れられ参観に訪れ、女の話を信じるに至り、9月にかけて複数回にわたって計154万4000人民元(日本円換算:約3163万円)を女の指定する口座へ送金し、16万7000人民元(約342万円)の配当を得たが、9月末になって相手方の資金繰りが悪化したことを知ったため元金の返還を求めたところ、先延ばし状態が続き、同局へ通報するに至ったとのこと。

 通報を受けた同局のゲーミング(カジノ)犯罪調査部門の捜査で、女がマカオに実在するどのVIPルームの株主・職員でもなく、女が被害者を参観させたVIPルームはカジノオペレーターの直営施設であることを確認。女はマカオを離れていたが、3月7日に港珠澳大橋マカオ側イミグレーションから再入境したことがわかり、同施設内で逮捕に成功。この際、女の所持品の中から偽造の香港居民身分証(香港IDカード)が発見され、これについて女は友人らに対して香港へ移民する能力を有しているとを示すためのものと説明したという。

 同局では、捜査で得られた情報を総合判断し、女を相当巨額詐欺、文書偽造、偽造文書使用・占有の罪で検察院送致するとともに、詐取したカネの行方を追っているとした。

 マカオでは、かつての一時期、カジノVIPルームをめぐる投資詐欺がしばしば報告されていた。なお、2023年1月に施行された通称「新カジノ法」の規定により、現在マカオのカジノVIPルームについては、政府とカジノ経営コンセッションを締結する事業者(カジノオペレーター)の直営方式のみとなっている。

警察が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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