マカオの新規住宅ローン承認額が4ヶ月ぶり増…2025年1月

 マカオ金融管理局が3月12日に公表した今年(2025年)1月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが4ヶ月ぶり増、商業不動産向けが2ヶ月ぶり増だったとのこと。

 今年1月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から31.4%増の13.3億パタカ(日本円換算:約247億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが前月から32.3%増の12.9億パタカ(約240億円)で、全体の97.3%を占めた。非居民向けについても5.2%増の3600万パタカ(約6.7億円)に。直近3ヶ月でみると、昨年11月〜今年1月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は11.9億パタカ(約221億円)で、昨年10〜12月との比較で0.8%増。

 新規商業物件向けローン貸付承認額は113.2%増の14.6億パタカ(約271億円)。このうち、マカオ居民向けが前月から78.7%増の11.8億パタカ(約219億円)で、全体の80.4%を占めた。非居民向けについても2.9億パタカ(約54億円)まで増加。直近3ヶ月でみると、昨年11月〜今年1月の月次平均値は10.1億パタカ(約188億円)で、昨年10〜12月との比較で37.0%増。

 今年1月末時点の住宅ローン融資残高は期内に複数の大口融資が完済されたことを受けて前月から0.2%減、前年同月から4.8%減となる2176.3億パタカ(約4兆0429億円)。マカオ居民が占める割合は96.6%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.2%減、非居民向けについては横ばい。

 商業物件向けローン融資残高は前月から0.2%増、前年同月から4.6%減となる1501.9億パタカ(約2兆7900億円)。マカオ居民が占める割合は92.0%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが0.2%増、非居民向けが0.3%減。

 今年1月末締めの住宅ローン延滞率は3.6%で、前月から0.1ポイント上昇、前年同月から2.7ポイント上昇。商業物件向けローン延滞率は5.4%で、前月から0.1ポイント上昇、前年同月から2.1ポイント上昇。住宅ローン延滞率は昨年の年初から上昇が続き、10月から11月にかけて下落したが、12月から再び上昇に転じている。

 マカオでは一昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されていたが、不動産市場については高金利が続く状況と経済の先行き不透明感といった懸念材料も存在し、取引件数・平均平米単価とも振るわない状況が続いている。昨年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートし、同年4月20日から不動産価格加熱抑制策が全面撤廃されるに至った。

マカオの新興住宅街にあたるタイパ新城区の町並み(資料)=2023年10月本紙撮影

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