マカオの新規住宅ローン承認額が2ヶ月ぶり減…2025年2月

 マカオ金融管理局が4月11日に公表した今年(2025年)2月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが2ヶ月ぶり減、商業不動産向けが2ヶ月連続増だったとのこと。

 今年2月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から45.4%減の7.2億パタカ(日本円換算:約129億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが前月から44.9%減の7.1億パタカ(約127億円)で、全体の98.3%を占めた。非居民向けについても65.3%減の1300万パタカ(約2.3億円)に。直近3ヶ月でみると、昨年12月〜今年2月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は10.2億パタカ(約182億円)で、昨年11月〜今年1月との比較で14.2%減。

 新規商業物件向けローン貸付承認額は4.4%増の15.3億パタカ(約273億円)。このうち、マカオ居民向けが前月から7.1%増の12.6億パタカ(約225億円)で、全体の82.5%を占めた。非居民向けについては6.5%減の2.7億パタカ(約48億円)。直近3ヶ月でみると、昨年12月〜今年2月の月次平均値は12.2億パタカ(約218億円)で、昨年11月〜今年1月との比較で21.1%増。

 今年2月末時点の住宅ローン融資残高は期内に複数の大口融資が完済されたことを受けて前月から0.4%減、前年同月から4.8%減となる2168.6億パタカ(約3兆8759億円)。マカオ居民が占める割合は96.6%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.4%減、非居民向けについては1.0%増。

 商業物件向けローン融資残高は前月から0.2%減、前年同月から5.3%減となる1498.8億パタカ(約2兆6788億円)。マカオ居民が占める割合は91.9%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが0.2%減、非居民向けが0.2%増。

 今年2月末締めの住宅ローン延滞率は3.6%で、前月から横ばい、前年同月から2.6ポイント上昇。商業物件向けローン延滞率は5.4%で、前月から横ばい、前年同月から2.1ポイント上昇。住宅ローン延滞率は昨年の年初から上昇が続き、10月から11月にかけて一旦下落したものの、12月から再び上昇に転じた。

 マカオでは一昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されていたが、不動産市場については高金利が続く状況と経済の先行き不透明感といった懸念材料も存在し、取引件数・平均平米単価とも振るわない状況が続いている。昨年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートし、同年4月20日から不動産価格加熱抑制策が全面撤廃されるに至った。

マカオの新興住宅街にあたるタイパ新城区の町並み(資料)=2023年10月本紙撮影

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