マカオ拠点の違法W杯賭博集団御用—史上最高賭け金額
- 2014/6/21 9:51
- 社会・政治
マカオ政府司法警察局は6月20日、マカオを拠点にサッカー・ワールドカップの試合を対象とした違法賭博を開催していた胴元集団22名を検挙したことを発表した。ホテル客室に本部を構え、インターネット及び電話を使って顧客からの注文を受け付けるやり方で、賭け金総額は同種の事件としては史上最高となる50億香港ドル(日本円換算:約658億円)に上るという。
ワールドカップをはじめ、ユーロ選手権など過去にもサッカーをめぐる違法賭博事件が相次いだことから、警察当局では厳重警戒を行っていた。
今回検挙された22名の出身地は各国に及び、主犯格と見られる男性2名はマレーシアと中国本土出身。構成員20名の出身内訳はマレーシア9名、香港4名、中国本土9名。
今回の事件は警察部門が6月18日に電話による通報を受けたことで発覚。内偵調査を続けた上で、6月19日未明のオーストラリア対オランダ戦の最中に本部と見られる新口岸エリアのホテル客室3室に踏み込んだ。現場では17台のパソコン、10台の携帯電話、約50億香港ドル分の金額が記載された賭け金管理シート、ノート、約200万香港ドルの現金を押収。
取り調べによると、1日あたりの平均賭け金は7億香港ドルで、顧客の一回あたりの賭け金は数百万から数千万香港ドルにも及んだという。また、今回のワールドカップでは優勝候補の一角として挙げられていたスペインチームの不調により、同集団の利益も少なくなかったものと見られている。司法警察局では今後も取り調べを進めるとともに、顧客の割り出し努めるとしている。
また、司法警察局の発表によると、この他にも6月20日未明に同様の違法サッカー賭博集団4名を検挙したという。4名はすべて中国本土出身。今回検挙された2つの違法賭博集団について、直接的な関係はないとみられているが、押収した顧客リストの分析を進めているという。
マカオでは正式なライセンス持たない者による賭博行為は明確に禁じられている。