客室単価安定で宿泊伴う本土旅客増―マカオ

中国本土が夏季の旅行シーズンを迎えており、マカオ市内の観光各所は多くの旅客で賑わっている。マカオ旅行社協会の関係者によると、今シーズンの観光市場は好調で、中国本土からマカオを訪れる団体ツアーの予約は昨年と比較して1割増といい、団体、個人旅行ともに旅客数は2桁増を見込む。

7月28日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。また、マカオのホテル価格が比較的安定しており、夏季シーズンで大幅高となっている本土の大型ホテルの価格と大差がないことから、宿泊を伴う中国本土客も増えているという。

昨今、航空機が関係する事故が相次いでいることも旅客のマインドに影響しているといい、比較的近距離にあり、高速鉄道やバスで往来できるマカオを旅行先として選択する動きが見られるとのこと。また、夏休み中に子供を「海外」に連れて行きたいという親も増えているようだ。

直近のマカオのホテル価格は五ツ星ホテルで1泊1部屋あたり平均約2千パタカ(日本円換算:約25,451円)となり、人民元に換算すると1千元台と手頃感があるとのこと。マカオに隣接する広東省珠海市の大型ホテルの価格と大差がないことから、旅客の間でマカオでの宿泊を志向する動きが広がっている。

マカオでは日帰り旅行者の比率が高く、宿泊を伴う旅客を増やすための魅力的な町づくりが進められているが、ホテル客室価格の安定が宿泊客を増やす1つの方法といえそうだ。

7月以降、中国本土からトランジットビザを利用してマカオを訪れる「裏技」に対して制限がかかるなど、観光マーケットでは旅客数の減少も懸念されていた。実際には、規制導入後の利用者は減少しているものの、その減少幅は小さいという。また、夏季シーズンには団体、個人旅行者が増えていることから、入境旅客数は昨年同期比5〜6%増になるのではないかとみている。

一方、マカオ市民のバケーションシーズンもスタートしており、相次ぐ航空機事故による影響はみられないという。外地へ旅行に出かけるマカオ市民の数は昨年から約20%増と予想され、人気の旅行先は日本、韓国、台湾とのこと。

中国本土とマカオの主要出入口「關閘(ボーダーゲート)」イミグレーション(資料)―本紙撮影

中国本土とマカオの主要出入口「關閘(ボーダーゲート)」イミグレーション(資料)―本紙撮影

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