エボラ出血熱流入阻止へ水際対策導入ーマカオ衛生局
- 2014/8/2 10:12
- 社会・政治
マカオ政府衛生局は7月31日、西アフリカでエボラ出血熱が流行していることを受け、同日午後9時からギニア、リベリア、シエラレオネの三国のパスポートを使ってマカオへ入境する旅客について、健康調査及びマカオ滞在中の追跡を行う措置を実施したと発表した。
具体的には出入境施設で衛生担当者による尋問及び検査を行い、エボラ出血熱感染者特有の症状が見受けられる、または感染者との接触があった場合、すぐに防護服を着用させ、仁伯爵綜合醫院(通称、山頂医院)の救急センターに搬送し、専門的な検査を実施する。検査の結果、感染の可能性が高いと判断された旅客については、隔離病棟にて経過観察と治療を行う。また、陰性と判断された旅客、感染者と接触歴のある旅客については、衛生担当者が毎日電話で健康状態の追跡調査を行い、疑わしい症状が出た場合にはすぐに隔離、観察措置をとるという。
現在、山頂医院の5階を病床数25の隔離フロアとし、エリア全体を陰圧密閉している。患者の治療及び観察に必要な医療器具等もすべて揃っており、必要に応じて短時間内に19床分の隔離エリアを追加することもできるという。
衛生局が水際対策をスタートして約1日後の8月1日午後6時53分に発表した最新情報によると、8月1日午後5時までにギニア、リベリア、シエラレオネのパスポートを持つ3名の男性がマカオ半島北部の關閘イミグレーションからマカオへ入境したという。3名ともにエボラ出血熱の症状は見られず、また、広州、深圳などを経由してマカオへ到着しており、エボラ出血熱の最長潜伏期間とされる21日以上前にアフリカを出発したことも確認されたことから、追跡措置を実施する必要がないと判断したとのこと。
西アフリカにはギニアビサウやカーボベルデといったポルトガル語圏諸国も含まれることから、中国のポルトガル語圏との窓口としての役割を担うマカオとも比較的結びつきが強い地域といえる。