マカオの六大カジノ企業の一角、ギャラクシーエンタテインメントグループ(以下、銀河娯楽集団)は8月4日、シニアマネジャー以下の全社員に対し、8月の月給の3倍にあたる自社株の支給、2015、16年のそれぞれ7月に月給1ヶ月分の特別賞与を支給することを決定したと発表。約7,000人の社員が恩恵を受けるものとみられる。
先週、カジノディラーを中心にしたカジノ企業従業員で構成される労働組合、澳門博彩最前線がギャラクシーエンタテインメントに対して待遇改善を要求する行動を起こしていた。その後、マカオ政府でカジノ行政を担当するフランシス・タム経済財政担当相、労基署にあたる労働事務局が従業員の訴えに対して一定の理解を示し、カジノ運営企業に対してコミュニケーションを深めるようコメントを出すなどしていた。
銀河娯楽集団が今年の自社株、翌年及び翌々年の臨時ボーナス支給を同時に発表したことについて、向こう3年間の間に次々とコタイ地区で新規リゾートが開業する時期と重なり、人材の引き止めを狙ってた施策とも受け取ることができる。
マカオのカジノ六社はすべて香港証券取引所メインボードに上場している。このうち、今回の銀河娯楽集団に加え、MGMチャイナ、ウィンマカオ、メルコ・クラウン・エンターテインメント、サンズチャイナの各社がすでに給与面での優遇策を発表済みで、恩恵を受ける5社の従業員数は約5万人とみられる。ウィンマカオについては管理職以下の7,500名の社員に対して1,000株の自社株支給を実施している。現在、このような策を発表していないカジノ運営企業はSJMのみ。マカオ全体のカジノ従業員(カジノ仲介業除く)は約8万人。
なお、銀河娯楽集団が社員に支給する自社株については、2017年12月31日までが売買禁止期間に設定されているという。