「騒音法」修正案、マカオ立法会通過

8月13日に開催されたマカオ立法会全体会議で環境騒音の予防とコントロールに関する法律、いわゆる「騒音法」が可決された。住居の改修工事可能な時間帯を朝9時から夜7時までに短縮、工事現場における騒音の大きい旧式ハンマーの使用を全面禁止するなど、今年1月に提出された草案の内容から一歩踏み込んだ修正も加えられている。

マカオは人口密度が世界最高水準にあり、住民のほとんどが集合住宅に暮らす。急速な社会・経済発展に伴い騒音問題が深刻化しており、市民生活に影響を及ぼしていることから、きちっとした法整備によるルール作りが求められてきた。

マカオ政府環境保護局によると、生活騒音及び建築工事に関する苦情が多く、2012年の統計ではそれぞれ66.0%、24.2%を占めた。市民生活に影響の大きい生活騒音と建設工事に関する騒音を法律で規制することで、市民の健康と安寧の確保につながるものと期待される。

騒音法の主な規制と罰則は下記の通り。

建築工事に関しては、騒音を伴う工事の禁止時間帯を月〜土曜の夜8時から朝8時までと設定し、日曜及び祝日は終日禁止に。杭打ち工程において騒音レベル85デシベルを20分以上超過してはならないと規定。また、伝統的パッカーシブディーゼルハンマー、空気ハンマー、スチームハンマーの使用を全面禁止する。違反した場合の罰則は罰金10~20万パタカ。

住宅の改修工事(リノベーション工程)については、騒音を伴う工事禁止時間帯を月〜土曜の夜7時から朝9時までと設定し、日曜及び祝日は終日禁止に。違反した場合の罰則は罰金5千〜1万パタカ。

生活騒音については月〜金の夜10時から翌朝9時までの集合住宅内における楽器の演奏、麻雀、ペットの鳴き声などの騒音、公共の場所における他人の安寧及び休息に影響を及ぼす騒音を規制の対象とする。違反した場合の罰則は罰金1千〜2千パタカ。

広場や路上でのパフォーマンス、イベント、その他類似の活動については、月〜金の夜10時から翌朝9時まで、土・日曜及び祝前日は夜11時〜朝9時までを騒音禁止時間帯とし、違反した場合の罰則は罰金5千〜1万パタカ。

生活及び公共の場所に関する取り締まりは治安警察局、その他については環境保護局がそれぞれ管轄する。初犯者については罰金の適用となるが、累犯者については罰金に加えて刑罰が適用されるという。

「騒音法」は公布後満180日後に施行される。

8月13日に開催された立法会全体会議(写真:新聞局)

8月13日に開催された立法会全体会議(写真:新聞局)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオの主要な空の玄関口、マカオ国際空港運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)が…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  3.  マカオ治安警察局は3月31日、タクシー車内で拾った多額の現金入りの財布を着服したとして香港人の女…
  4.  このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2025年)1〜2月累計の歳…
  5.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は4月1日、今年(2025年)3月の月次カジノ売上(粗収益、…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年4月号
(vol.142)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun