8月14日午後、カジノ従業員団体「博彩最前線」の呼びかけでSJM(澳門博彩)の従業員らが参加するデモ隊がSJM社の人事部が入る商業ビルを包囲し、賃上げなどの待遇改善を訴えた。近日、従業員らによるマカオのカジノ運営企業に対する同様のデモ活動が相次いでいる。
今回のデモの要求内容は10%の賃上げ、月給2ヶ月分のボーナス支給、休暇及び昇給制度の改善などとなっており、会社側の代表者に対して要望書を手渡した。博彩最前線では要求に対する回答を得られない場合、次週火曜日に再度包囲デモを行うとしている。また、今回のでも参加者数は1,500人だったとのこと。
SJMはグランドリスボアなどを運営するカジノ大手。近日、ヴェネチアンマカオなどを運営するサンズチャイナ、ギャラクシーマカオなどを運営するギャラクシーエンタテインメントなど、マカオのカジノ各社に対する同様のデモが相次いでいる。マカオ政府高官や関連部局も企業側に対して従業員との対話を重視するようコメントを出すなど、従業員側の主張に対して一定の理解を示している。
マカオでは慢性的な人材不足にあり、2015年から17年にかけてコタイ地区を中心に大型カジノリゾートのオープンラッシュが控えることから、カジノ運営会社は人材の囲い込みをしたいというのが本音。マーケットからは人件費負担の増が財務面に与える影響を懸念する声もあるが、昨今のマカオのカジノ運営企業の業績については、仲介業者の手数料支払いが不要なマスゲーミング(平場)部門による売上が増加傾向にあることから、利益率が高まるものと予想されている。