マカオで政府主催抗日戦勝記念行事開催、学校で愛国教育も
- 2014/9/4 9:32
- 澳日関係
9月3日の中国人民抗日戦争勝利記念日(中國人民抗日戰爭勝利紀念日)に合わせ、マカオ政府が同日午前にコロアン島のマカオ保安部隊学校で記念行事を開催した。マカオ特別行政区の崔世安行政長官をはじめとしたマカオ政府要人、中国中央政府関係者らが出席。また、地元の一部学校では全校生徒を集めた抗日史に関する特別授業なども行われた。
抗日戦勝記念日は今年(2014年)2月27日に中国の全国人民代表大会常務委員会で記念日化が通過・決定したもの。
記念行事では抗日戦争で犠牲になった英霊に対する一分間の黙祷が捧げられた。マカオ特別行政区の崔世安行政長官は演説の中で、皆が厳粛な気持ちで、歴史を振り返り、祖国の英雄の活躍を記憶し、平和を大切にしようと語った。また、積極的に中華民族が結束し、無限の闘争の精神を呼び起こす必要性を説き、世界平和を促進し、より良い未来を作ろうとまとめた。
第二次世界大戦時、中立国ポルトガル領だったマカオは直接戦火の影響を受けなかった。しかし、行政長官は、マカオからも多数の青年義勇兵が自ら志願して中国本土で戦い、抗戦のための資金集めなど後方支援で大きな貢献を果たしたことも忘れてはならないと演説の中で強調した。
なお、当日、マカオでは特に日本に対する市民の抗議活動などは見られなかった。
マカオでは中国中央政府主導の愛国主義がじわじわと広がっている。政府や民間のイベントでも日本外しが露骨に行われることもここ数年では珍しくない。また、地元の学校でも愛国歴史教育に力を入れるところが多い。香港と比較してマカオは中国本土への依存度が高い。
マカオ市民の日常生活の中では日本食、日本文化、日本ブランドに対する根強い人気があるのも事実で、マカオから日本を訪れる観光客も円安の進行とともに増えている。マカオの多くの市民の間では、政治的な愛国反日キャンペーンに対して冷静な見方をしているようだ。