投資銀行各社、マカオのカジノ売上見通し調整

マカオのカジノ売上が今年(2014年)6月以降3か月連続で前年割れとなったことを受け、投資銀行各社が今後のカジノ売上予測について調整を行っている。野村の発表したレポートによると、今年9月のマカオの月次カジノ売上は前年同月比5〜10%下落となる260〜270億パタカ(日本円換算:3,467〜3,600億円)程度の見通しで、マカオカジノ関連株についても年内はプラス要因に乏しいとした。9月10日、香港上場のカジノ関連株は全面安の展開となった。

9月11日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。野村の発表したレポートによると、9月7日締めの9月の1日あたりカジノテーブルウィン額は8.5〜9億パタカ(約113〜120億円)となり、8月の平均9.31億パタカ(約124億円)を下回る。しかし、9月はローシーズンとして知られることから、下落は予想の範囲内とのこと。9月の月間カジノ売上は前年同月比5〜10%、前月比5〜9%のそれぞれ下落となる260〜270億パタカ、マスゲーミング(平場)の売上は前年同月比15〜19%増、一方でVIPカジノの売上は19〜24%下落と予想する。マカオのカジノ関連株の将来性については、年内はプラス要因に乏しいが、長期的には中国本土住民の所得向上によるマスゲーミング部門への好影響、新規カジノのオプンラッシュなどがあり、継続して良好としている。

スタンダードチャードが発表したレポートによると、今年下半期のVIPカジノ部門の売上は前年同期比13%縮小し、マスゲーミング部門の成長も同14%程度とし、年間カジノ売上予想を4%増と予測。また、2015〜17年については7%増とした。同社ではコタイ地区に相次いでオープンする進化時に対して慎重な見方を示しており、マカオのカジノ関連株の目標株価を平均12%引き下げた。

9月10日の香港証券取引所に上場するマカオカジノ関連株の株価は全面安の展開となり、ギャラクシーエンタテインメントが2.8%、サンズチャイナが2.3%、MGMチャイナが2.4%、ウィンマカオが3.4%、SJMが3.4%、メルコインターナショナルが2.7%のぞれぞれ下落。

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本紙撮影

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  2.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  3.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  4.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  5.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun