マカオで日本人がブラックジャック詐欺被害、フィリピン人グループが関与
- 2014/10/2 9:38
- 社会・政治
今年(2014年)8月にマカオを訪れていた32歳の日本人男性が、フィリピン人グループによるブラックジャック詐欺に遭い、1万米ドル(日本円換算:約110万円)をだまし取られるという事件が発生していたことが明らかになった。
10月1日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。8月20日午後4時頃、日本人男性がペーニャ教会を見学していた際、フィリピン人の女が「妹が日本へ旅行するから紹介したい」と話しかけてきたという。その後、男性は女の招きに応じてマカオ半島北部の關閘エリアにあるアパートの部屋を訪れたところ、この女の母、兄と自称する人物らが次々と現れた。「兄」がブラックジャックのマジックを披露するなどしたことから、男性は詐欺ではないかと感じ、ホテルに帰りたいとするも拒絶され、続いて部屋を訪れた勧誘役の女性の「友人」の男らによって、ブラックジャック賭博に参加させられてしまう。
最初は少額の賭けで、男性も勝っていたというが、しばらくして「友人」が最後の一局だとして賭け金を5,000米ドル(約55万円)に増額することを提案し、「兄」もクレジットカードを使い近所のATMで現金を引き出せるなどと説明したという。最後の一局がスタートした後、「友人」が賭け金を4万米ドル(約440万円)に増やすことを要求。日本人男性の手元のカードは「ブラックジャック」で、巨額の勝ちが得られるものの、賭け金が不足していた。そこで「ストップ」がかけられ、日本人男性はタイパ島のカジノでクレジットカードを使い1万米ドルを引き出したが、依然として3万米ドル(約330万円)が不足していた。
日本人男性が關閘のアパートへ戻ると、今度は勧誘役の女の「妹」が現れ、賭博に参加するための1万2,000米ドルを用立てたとして手渡した。それでも日本人男性の手持ちは1万8,000米ドルが不足していることから、「兄」は日本人男性に対して9月27日までに日本から100万円を持参するよう求め、携帯電話を担保として差し押さえた。
日本人男性が日本へ戻った後、インターネットでマカオで同様の詐欺事件が発生していたことを知り、9月26日にメールでマカオ警察に通報。マカオ警察は当日のうちにメールに回答し、詳細について電話でヒアリングを行ったという。日本人男性は9月27日に香港経由でマカオへ入りした後、警察と合流。フィリピン人グループとの現金の受け渡し場所となっていたマカオ国際空港へ向かい、金を受け取りにきたフィリピン人の女が詐欺に参加していたメンバーであることが確認できたことから、警察署へ連行。女は1,000香港ドルの報酬で雇われたとして容疑を認めたとう。警察では残る4名のグループメンバーの行方を追っている。
マカオでは政府から認可を受けたゲーミング施設以外での賭博行為は一切禁じられている。