VIPルーム正念場、カジノ直営ハイリミットエリアとの競争も激化—マカオ

10月1日から約1週間続く国慶節の大型連休も後半を迎えている。あるゲーミング関係者によると、連休中のVIPカジノの売上は事前予想通りのごく一般的な水準という。ただし、中国本土経済が好転せず、第三国ビザを利用したトランジット制度を利用したマカオ滞在時間の短縮などの影響もあり、今後の見通しも楽観的とはいえないようだ。

10月6日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。同じ関係者によると、国慶節連休は家族で過ごすというスタイルが定着していることから売上減は予想の範囲内だったとのこと。10月6日からカジノのマスゲーミングフロア(平場)の禁煙化がスタートすることから、カジノ運営企業がこれまで自社が保有するVIPテーブルを設置していた平場のハイリミットエリアをVIPカジノ化して喫煙エリアを設定するといった動きをみせているという。カジノ運営企業がVIPルームの潜在顧客であるハイエンドマスマーケットを取り込みを進めていることから、両社の競争が激化している。実際にはカジノ運営企業直営のハイリミットエリアとカジノ仲介業者が運営するVIPルームはサービスモデルが全く違っており、資金の融通なども含めたフルサービスを提供できるVIPルームの競争力が勝るとのこと。

今後の見通しとしては、中国の中央銀行にあたる人民銀行が打ち出した不動産マーケット活性化措置の効果が現れ、経済が上向きになると予想される2015年3月頃からマカオのゲーミング市場も回復するのではないかとの見方。

なお、香港のセントラル占拠の影響により中国本土から香港、マカオを訪れる団体旅客が減少していることについては、客層が異なることから、マカオのカジノ客への影響はないとの考え。

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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