イエロータクシー解散へ—マカオ政府が契約打ち切り

マカオ政府交通事務局の汪雲局長は11月2日、地元の宏益グループが運営する通称「黄的(イエロータクシー)」の特別タクシー営業ラインセンスについて、政府が契約を延長しないことを決定したことを明らかにした。宏益公司の持つライセンスは11月6日に失効することから、イエロータクシーは同日夜までの営業をもって解散となる。

イエロータクシーの台数は約100台あるが、このうち6割を無線呼び出しサービスに特化させ、残りの4割についても同様のサービスへと順次切り替えるという内容の契約で、今年(2014年)2月に営業ライセンスをの9か月間の臨時延長措置を政府から獲得していた。

イエロータクシーは地元の宏益グループがもともと無線配車タクシーとして営業を開始したが、タクシー不足の状況を緩和するため、いわゆる流しの営業も特例で認められてきた。しかし、住宅街にほとんど車両が流れてこないことなどもあり、障碍者、高齢者、子供連れなど、本来タクシー必要とする人達にとって利用しづらい状況にあった。

臨時ライセンス発給後、マカオ政府はすべてのタクシーを無線配車型とするようあらためて宏益グループ側へ要求を続けてきたというが、政府の基準を満たせなかったという。また、乗客へチャージする無線配車サービス料の加算についても、双方の間で折り合いがつかなかった模様。

交通事務局では、先に公開入札を実施した個人タクシーにあたる黒とクリーム色のツートンカラーの通称「黒的」200台の新増分うち100台を早ければ12月頭まで、残る100台についても来年(2015)1月までに市場へ投入することで、イエロータクシー解散による影響を軽減する考え。黒的も無線配車サービスを行っている。

今後について、当局では無線配車型タクシーサービスを行う特別タクシー営業ライセンスの公開入札を実施予定という。

宏益電召有限公司が運営する黄色い車体の無線タクシー(資料)―本紙撮影

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