「勝手基地局」からジャンクSMS発信、賭博サイトへ誘引—マカオ

マカオ司法警察局は11月5日、マカオ半島北部の關閘ボーダーゲート正面にあるマンションの部屋に携帯電話向けの電波を発信する基地局を勝手に設置し、接続した携帯電話利用者に向け無差別にジャンクSMS(ショートメール)を送信したとして、中国・福建省出身の男4人をコンピューター操作妨害罪で送検した。

被疑者が送信したSMSには違法な賭博サイトへ誘引するURLなどが記載されていたという。最近、近隣住民からの苦情が相次いだことで事件が発覚した。マカオ司法警察局がマカオ電信管理局、ボーダーを隔てて隣接する中国本土の珠海市公安局と合同で内偵捜査を行った結果、電波の発信源が關閘ボーダーゲート正面にあるマンションと特定。11月5日午後に現場へ立入検査を行い、ノートパソコン28台、電波発信装置19台、アンテナ線30セットなどを押収。現場にいたいずれも中国・福建省出身の18〜34歳の男4人の身柄を確保した。この「勝手基地局」はマンションの關閘ボーダーゲート側に面した5フロアを使って運営されていた。男らは犯行を認める供述をしており、約半年前に犯罪集団から雇われてマカオへ来たなどと話しているという。司法警察局はこの4人を即日コンピューター操作妨害罪で送検した。

關閘ボーダーゲートはマカオ半島の北部にあり、中国本土の珠海市・拱北と陸路で往来できる主要な出入境ポイントで、年間の利用者数はのべ約1億人。マカオと中国本土はそれぞれ別の携帯電話事業者の営業エリアとなっており、両地の間を往復する際、携帯電話の電波が一旦途切れ、それぞれの地元事業者の電波に切り替わる仕組み。今回の犯罪グループはこの電波の隙間を利用し、主に中国本土からマカオを訪れる旅客の携帯電話に勝手基地局から発信する電波を拾わせることで無差別にSMSを発信していた。

中国本土からマカオを訪れる旅客の大半が利用する出入境施設、關閘ボーダーゲート(資料)―本紙撮影

中国本土からマカオを訪れる旅客の大半が利用する出入境施設、關閘ボーダーゲート(資料)―本紙撮影

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