マカオ自動車ショー閉幕、円安で日本車への注目度高まる
- 2014/11/10 11:04
- 産業・経済
11月7〜9日の3日間、マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)施設、ヴェネチアンマカオ内にコタイエキスポホールで第4回中国(マカオ)国際自動車博覧会が開催された。エキジビション面積は約6.2万平米、世界15カ国から90社の自動車メーカー、自動車用品、銀行などの関連企業が出展し、来場者数はのべ約16.5万人(主催者発表)に上った。
会場は大きく新車の展示・販売、中国車の参考展示、スーパーカー及びクラシックカー博物館に分かれていたが、最も賑わっていたのが新車のコーナーだ。マカオでは急速な経済発展に伴い所得増が続いており、自動車登録台数も年々増加傾向にある。
新車の展示・販売コーナーには日本、欧州、米国、韓国の自動車を取り扱うディーラーが出展。特に大きなブースを展開していたのが日本のトヨタ・レクサス、独メルセデスベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンの5社。昨年開催された同じショーではヒュンダイやキアといった韓国車の展示が大きかったが、今年は鳴りを潜めた。
会場で特に人気を集めていたのはメルセデスベンツのAシリーズ、BMWの1シリーズ、フォルクスワーゲンのゴルフに代表されるCセグメントと呼ばれるロワーミジュアム車。また、日本メーカーが得意とするファミリータイプのミニバンに試乗する家族連れの姿も多く見られた。
会場を訪れていた女性公務員のリョンさん(30)に話を聞くと、2人目の子供が生まれたので、現在所有しているトヨタのエコーから(日本名:ヴィッツ)からミニバンへの買い替えを計画しているとのこと。会場では販売価格約28万パタカ(日本円換算:約403万円)のトヨタの最新モデルの「ノア」を気に入ったそうで、ディーラーと商談に入るという。日本車を選ぶ理由については、マカオでファミリー向けの車を探す際、日本メーカーのラインナップは豊富だが、欧州メーカーはニーズを満たすものがないと語った。
日本車を販売するディーラーによると、昨今の急激な円安の進行がすぐにマカオでの販売価格の値下げに直結することはないが、今後も円安傾向が続くようなら、価格の調整もありうるとのこと。また、円安のニュースが盛んに報じられるようになったことで、日本車への関心が高まるきっかけになったという。
地元紙の報道によると、3日間の会期中に約400台の新車販売の商談がスタートしたという。マカオ政府統計調査局発表のデータによると、昨年(2013年)12月末時点のマカオの登録自動車総数は前年から6.7%増となる10万8484台。なお、マカオの面積は山手線の内側の面積のおよそ半分の30.3平方キロメートル、人口は約60万人。