マカオ自動車ショー閉幕、円安で日本車への注目度高まる

11月7〜9日の3日間、マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)施設、ヴェネチアンマカオ内にコタイエキスポホールで第4回中国(マカオ)国際自動車博覧会が開催された。エキジビション面積は約6.2万平米、世界15カ国から90社の自動車メーカー、自動車用品、銀行などの関連企業が出展し、来場者数はのべ約16.5万人(主催者発表)に上った。

会場は大きく新車の展示・販売、中国車の参考展示、スーパーカー及びクラシックカー博物館に分かれていたが、最も賑わっていたのが新車のコーナーだ。マカオでは急速な経済発展に伴い所得増が続いており、自動車登録台数も年々増加傾向にある。

新車の展示・販売コーナーには日本、欧州、米国、韓国の自動車を取り扱うディーラーが出展。特に大きなブースを展開していたのが日本のトヨタ・レクサス、独メルセデスベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンの5社。昨年開催された同じショーではヒュンダイやキアといった韓国車の展示が大きかったが、今年は鳴りを潜めた。

会場で特に人気を集めていたのはメルセデスベンツのAシリーズ、BMWの1シリーズ、フォルクスワーゲンのゴルフに代表されるCセグメントと呼ばれるロワーミジュアム車。また、日本メーカーが得意とするファミリータイプのミニバンに試乗する家族連れの姿も多く見られた。

会場を訪れていた女性公務員のリョンさん(30)に話を聞くと、2人目の子供が生まれたので、現在所有しているトヨタのエコーから(日本名:ヴィッツ)からミニバンへの買い替えを計画しているとのこと。会場では販売価格約28万パタカ(日本円換算:約403万円)のトヨタの最新モデルの「ノア」を気に入ったそうで、ディーラーと商談に入るという。日本車を選ぶ理由については、マカオでファミリー向けの車を探す際、日本メーカーのラインナップは豊富だが、欧州メーカーはニーズを満たすものがないと語った。

日本車を販売するディーラーによると、昨今の急激な円安の進行がすぐにマカオでの販売価格の値下げに直結することはないが、今後も円安傾向が続くようなら、価格の調整もありうるとのこと。また、円安のニュースが盛んに報じられるようになったことで、日本車への関心が高まるきっかけになったという。

地元紙の報道によると、3日間の会期中に約400台の新車販売の商談がスタートしたという。マカオ政府統計調査局発表のデータによると、昨年(2013年)12月末時点のマカオの登録自動車総数は前年から6.7%増となる10万8484台。なお、マカオの面積は山手線の内側の面積のおよそ半分の30.3平方キロメートル、人口は約60万人。

第4回中国(マカオ)国際自動車博覧会の中国製商用車展示コーナー(資料)=11月9日、マカオ・コタイ地区のコタイエキスポホール

第4回中国(マカオ)国際自動車博覧会の中国製商用車展示コーナー(資料)=11月9日、マカオ・コタイ地区のコタイエキスポホール

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun