マカオ 上期の不法滞在者3.7万人 9割超が中国本土出身
- 2014/11/11 14:51
- 社会・政治
マカオ政府保安司の張國華司長(保安局長)は11月10日、今年(2014年)上半期のマカオの不法滞在(不法入境、超過滞在)者数が3万7848人だったとする最新統計を発表した。不法滞在者のうち、実に約94%を中国本土出身者が占めた。
内訳は、中国本土からの不法入境が前年同期比5.1%増の1012人、中国の個人旅行ビザ保有者によるオーバーステイが2.1%減の3426人、その他中国旅券またはビザ保有者によるオーバーステイが21.5%の大幅増となる3万1198人。中国以外の外国籍者によるオーバーステイは1.5%増の2212人。
マカオではオーバーステイに対する罰則を今年7月に1日あたり200パタカ(日本円換算:約2900円)から500パタカ(約7200円)に引き上げた。また、累犯者の再入境禁止期間を180日から1年間に延長している。
マカオは1999年12月20日にポルトガルから中国へ返還され、中華人民共和国マカオ特別行政区となったが、以後も独自の入境管理や通関事務を行っている。2003年に中国本土から香港、マカオを訪れるための個人旅行ビザ発給がスタートしたが、渡航頻度、滞在期限などに制限が多い。違法な就労やカジノ賭博、観光などを目的とした不法入境やオーバーステイが後を絶たない。不法出入境を手引きする「蛇頭」も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。
ちなみに、日本の法務省が発表した今年1月1日現在の日本の不法残留者総数は前年比4.8%減の5万9061人。このうち中国籍が全体の14.0%を占める8257人。
今年9月末時点のマカオの人口は約63万人、面積は山手線の内側の半分とほぼ同じ30.3平方キロメートル。2013年の1年間に中国本土からマカオを訪れた旅客数はのべ1800万人。