利益率高い平場へシフト 市場の変化に対応 マカオカジノ大手SJM・ソーCEO

マカオのカジノ大手、SJMホールディングス(澳門博彩控股)のアンブロース・ソー(蘇樹輝)CEOは11月16日、同社がスポンサーとなるレーシングチームの応援のため第61回マカオグランプリの決勝レース会場を訪れた際、メディアの取材に応じた。

今年(2014年)6月以降、マカオのカジノ売上が5ヶ月連続で前年割れとなっている。これについて、ソーCEOは、市場の変化が進み、VIPルーム部門の成長が鈍化しているとし、カジノ運営各社はゲーミング(カジノテーブル)のVIPルームとマスゲーミングフロア(平場)の配置割合の調整や、マーケティング戦略の変更により対応していくことになるだろうと語った。

また、マスゲーミングフロア、マスとVIPの中間に位置付けられる最低賭け金の高いハイエンドマスはいずれも直営で、仲介業者に対してコミッション支払いが生じるVIPと比較して利益率が高いことから、SJMではVIPルームにあった10台のゲーミングテーブルをマスと平場に移転したことを明らかにした。カジノ売上が落ち込む中、マスゲーミング部門は堅調に伸長しており、同社ではマスシフトにより利益率向上を狙いたい意向。

通年のカジノ売上については、成長鈍化が見受けられるが、マカオマーケット全体で前年並みを確保できるとの認識。来年の見通しについてが、世界的な経済成長、特に中国本土の状況がポイントとなり、現状では予測するのが難しいと語った。

SJMホールディングスのアンブロース・ソーCEO(中央)=11月16日、マカオグランプリ会場

SJMホールディングスのアンブロース・ソーCEO(中央)=11月16日、マカオグランプリ会場

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局は4月10日、今年(2025年)2月の電子決済額統計(飲食業・小売業編…
  2.  マカオ治安警察局は4月9日、マカオ半島北西部の筷子基(ファイチーケイ)エリアの路上で女子高校生(…
  3.  マカオ政府衛生局(SSM)は4月10日午後7時すぎ、同日マカオ域内で新たに輸入性デング熱感染を1…
  4.  マカオ治安警察局は4月9日、コタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設カジノのトイレで拾ったゲー…
  5.  このほどマカオ科学館が公表した昨年(2024年)の年次報告によれば、昨年の入館者数が前年から8.…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年4月号
(vol.142)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun