マカオ訪問旅客の旅行消費額5%増 1人あたり単価は5年ぶり減 日本人の消費意欲高い 14年Q3

マカオ政府統計調査局は11月19日、今年(2014年)第3四半期のマカオ訪問旅客の旅行消費額などを発表した。総旅行消費(ゲーミング=カジノを除く)は、前年同期比5%増となる148億パタカ(日本円換算:約2189億円)で、内訳は宿泊を伴う旅客による消費が5%増の129億パタカ(約1908億円)、日帰り旅客が3%増の26億パタカ(約384億円)だった。しかし、旅客1人あたり平均消費額は5年ぶりのマイナスに転じ、1%減の1878パタカ(約2万7800円)となった。

1人あたり消費額を出身地別でみると、トップの中国本土旅客が4%減の2220パタカ(約3万2800円)、中国本土からの個人旅行者に限ると7%増の2758パタカ(約4万800円)。次いで多かったのが日本で12%増の1954パタカ(約2万8900円)、以下シンガポールが1%増の1927パタカ(約2万8500円)、マレーシアが1%増の1798パタカ(約2万6600円)、台湾が1%増の1653パタカ(約2万4500円)と続く。遠距離からの旅客では38%増となった英国の1563パタカ(約2万300円)が最高。

また、宿泊を伴う旅客の1人あたり消費額が4%の3310パタカ(約4万9000円)だったのに対し、日帰り旅客は8%減の599パタカ(約8900円)となっている。宿泊を伴う中国本土旅客の1人あたり消費額は3933パタカ(約5万8200円)、日帰りは707パタカ(約1万500円)、個人旅行者に限ると宿泊を伴う場合が4940パタカ(約7万3100円)、日帰りが1185パタカ(約1万7500円)。

消費動向では、ショッピングが49%、宿泊費が26%、飲食費が18%。1人あたりショッピング消費額は1%増の921パタカ(約1万3600円)。ショッピングの内訳は、ジュエリー・時計が全体の26%を占め、土産用食品が22%、バッグ・靴が18%がそれに続いて多かった。出身地別では中国本土旅客の1人あたりショッピング消費額が1260パタカ(約1万8600円)、個人旅行者に限ると1726パタカ(2万5500円)。一方、香港旅客のショッピング消費はわずか143パタカ(約2100円)だった。

なお、第3四半期の旅行消費額は5%増だったが、マカオ訪問旅客数は6%増となっている。1人あたり消費額が減少していることを意味し、富裕層が主要顧客基盤となるVIPカジノの不調とリンクしている。中国本土からの日帰り旅客の多くが単価の安い日用品などを購入する目的で頻繁にマカオを訪れ、滞在時間も短く、1人あたり消費単価を下げている1つの要因とみられている。マカオ政府では、観光都市としての魅力を向上させることで、宿泊を伴う旅客の増、滞在時間の延長を促し、旅行消費額の増につなげ、マカオ経済へのプラス効果を狙う方針を掲げている。

観光客で賑わうマカオ歴史的市街地区のストリート(イメージ)=マカオ・大三巴街—本紙撮影

観光客で賑わうマカオ歴史的市街地区のストリート(イメージ)=マカオ・大三巴街—本紙撮影

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