スロット修理工がイカサマ、勤務先のカジノから約630万円詐取=マカオ・コタイ地区

マカオ司法警察局は12月5日、マカオ・コタイ地区のカジノのスロットメンテナンス職のマカオ居民(マカオ居留権保有者)の31歳の男について、勤務先のカジノのスロットマシンを必ず勝てるよう調整し、40万香港ドル(日本円換算:約630万円)を詐取したとして、業務上横領罪で逮捕、送検したことを明らかにした。

12月3日、コタイ地区のカジノの管理スタッフから、自社のスロットメンテナンス職の社員がカジノの金銭を詐取している疑いがあるとマカオ司法警察局に通報があった。スロットエリアが無人になったタイミングを見計らって工具を使ってマシンを開け、必ず勝てるよう調整をした上で現金を挿入し、賞金を不正に獲得していたという。

翌12月4日の深夜、この社員が同様の手口で1万5000香港ドルの賞金を得た際、司法警察局員が現場に踏み込み、被疑者を現行犯逮捕した。警察によると、被疑者は今年(2014年)3月から犯行を重ねたと供述しており、カジノの被害総額は40万香港ドルに上るという。また、詐取した金は賭博や自家用車の購入などに使ったという。警察は、被疑者の自宅から18万1000香港ドル及び3000人民元の現金、自動車などを押収した。

マカオではディーラー職の社員によるゲーミングチップや現金の横領事件なども度々発生しており、カジノを巡る犯罪は後を絶たない。マカオのカジノ内には監視システムなどを含む高度な防犯対策が導入されており、従業員、利用客によるイカサマ行為は必ず発覚するといわれている。

なお、マカオのカジノ運営企業では、従業員が勤務先及び系列のカジノ施設でプレイすることを厳しく禁じている。

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて—本紙撮影

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて—本紙撮影

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