マカオの駐車場取引価格2年ぶり下落=カジノ売上6ヶ月連続前年割れ、投資意欲に影響か
- 2014/12/9 10:58
- 産業・経済
マカオの月次カジノ売上が今年(2014年)6月以降、6か月連続で前年割れとなっている中、住宅価格は踊り場に、ここ2年間急上昇を続けてきた駐車場価格は下落に転じているという。
12月9日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。マカオの駐車場専門不動産仲介業者、車位皇の陳力旗社長によると、カジノ売上の減速に伴い、投資家の様子見ムードが強まっているという。直近1ヶ月で駐車場価格の下落も進んでおり、オーナーが希望する売り出し価格の1割引で取引が成立する状況という。また、取引件数についても3割減だという。
駐車場価格の下落要因について、カジノ売上の下落のほか、最近になってマカオとの通関24時間化が発表された広東省・珠海市横琴新区のマンション投資のための頭金作り、駐車場取引市場が短期的に落ち着くとの見方が広がっていることなどが挙げられるという。
一方、マカオ政府による公共駐車場料金の値上げ観測、マイナー熱の高まりを受けた需要の増などを背景に、駐車場の賃貸マーケットは依然として上昇傾向が続いているという。直近の平均上昇率は25%、一部では30〜40%の値上がりとなっている場所もあるという。駐車場価格が下落し、今後も賃貸価格の上昇が続くと見られる中、駐車場投資による回収率はアップすると予想される。
人口密集地にあたるマカオ半島の駐車場賃貸価格は月極でおよそ2500〜3000パタカ(日本円換算:3万8000円〜4万5000円)、新興住宅街のタイパ島では2000パタカ(約3万円)前後となっている。