マカオ労働組合連合総会(澳門工會聯合總會)は12月16日、先に実施した「マカオカジノ従業員の仕事と生活状況に関するアンケート調査」に関する分析結果を発表した。回答者のうち、およそ76%がカジノ企業に入社後、心身の健康状態にマイナス影響があったとし、影響なしとした22%を大きく上回った。
アンケート調査は、工聯スタッフが街頭でおよそ1000人のカジノ従業員を対象に実施したもの。職種別では、カジノディーラーが回答者の4割を占め、その他はフロア主任、警備、清掃スタッフなど。
回答者の約半数が「仕事の将来性に自信が持てない」とし、特に26-45歳の中青年層でその傾向が強く見受けられたという。勤務先企業に対する不満としては、給与・福利厚生、管理・人事制度、受動喫煙問題などがおよそ過半、託児サービスなど仕事と家庭との両立を求める要望も多くみられたという。
また、昨今マカオのカジノで流行しているライブ中継型ゲーミングシステム(複数のカジノテーブルで進行するゲームの様子を、客の手元のモニタにライブ配信し、同時にベッティングを行うことができるもの)について、制限時間内に一定数の対局をこなす必要があるなど、時間制限の中でのオペレーションが精神的負担になっているとの意見も少なからず見受けられたという。工聯では、カジノ企業、マカオ政府に対し、現状に即した従業員保護策を速やかに検討するよう求めた。
マカオ政府統計調査局が発表した今年(2014年)第2四半期末の統計データによると、マカオのカジノ従業員数(カジノ仲介人、仲介協力者含まず)は5万7550人で、同時期のマカオの総人口62万4000人の約9.2%、7-9月の就業人口39万2100人の14.7%を占める。
5万7550人のカジノ従業員のうち、およそ44.8%を占める2万5783人が現場の最前線で働くディーラー職。カジノ従業員全体の平均月給(ボーナス等含まず)は前年同期比6.7%増の2万160パタカ(日本円換算:約29万4000円)、ディーラー職に限ると1万7530パタカ(約25万6000円)。いずれも今年第2四半期の就業者全体の平均1万3000パタカ(約18万9000円)を上回る水準。