中国・習近平主席、マカオに4つの注文=マカオ返還15周年記念式典開催「経済多元化による持続的発展を」
- 2014/12/20 13:45
- 社会・政治
きょう(12月20日)、マカオがポルトガルから中国に返還されて15年目を迎えた。午前中、マカオ・コタイ地区のマカオドームで返還15周年記念式典及び第4代マカオ行政長官就任式が開催され、中国の習近平国家主席、崔世安マカオ行政長官、政・財・文化界からおよそ1200人のゲストらが出席した。
式典は、第4代マカオ行政長官に就任する崔世安氏の就任式からスタート。崔氏は2009年から第3代行政長官を務め、任期満了に伴う今年(2014年)8月末の選挙で連任が決まったていた。行政長官に続き、閣僚の就任式も行われた。マカオ行政長官の任期は5年間。
返還式典では、まず、就任式を終えた崔世安第4代マカオ行政長官が演説を行った。「返還以来、中央政府のリーダーシップの下、マカオ経済は史上最大の力強い成長を遂げ、マカオ居民(マカオ居留権保有者)の生活水準も明確に向上、調和と安定が広く社会に根付いたとした」と述べ、「一国二制度」の優位性を強調。また、今後については、居民が成果を共有できるかたちでの持続可能な発展を目指すとの姿勢を示した。
習主席は、マカオ返還15周年にあたっての演説の中で、「返還後15年の間、マカオ社会の各方面、外的環境に大きな変化があった」とした上、「ここ(15周年)を新しい歴史のスタート地点に、これまで良かった点をさらに伸ばすことで、持続的発展の基礎を築くことが必要である」と述べた。また、マカオに対する4つの注文として、「法治能力、水準の向上」、「持続的発展を可能とする経済多元化につながるプロジェクトの策定及び統括」、「社会の融和と安定の促進」、「未来に向けた青少年教育の強化」について、継続して取り組むことを挙げた。
崔世安行政長官は、4つの注文に沿った政策を推進するものとみられる。中でも、マカオ経済のカジノへの過度な依存からの脱却を通じ、政府が目指す「世界的レジャー・ツーリズム・センター」への衣替えをどのように進めていくか、手腕が問われる。現在6社が保有するカジノ(ゲーミング)ライセンス(一部サブライセンス方式)が2020年、2022年に満期を迎えるが、2015年から、具体的な検討が進められるとされており、第4代マカオ行政長官率いる新政権の対応に注目が集まっている。