中国外交部「ポルトガルは友好国かつ重要パートナー」=狙いは旧植民地への影響力?窓口役としてマカオに期待

1999年12月20日にポルトガルから中国にマカオが返還されてから、今年(2014年)で15年目を迎えた。中国外交部の秦剛報道官は、ポルトガル国営ルーザ通信の取材に対し、現在の中国とポルトガルの二国間関係について「中国にとってポルトガルは友好国かつ重要なパートナーである」との認識を示した。マカオの月刊英字経済誌「マカオビジネス」が12月19日付電子版で報じた。

マカオについて、返還以降も中国とポルトガル語圏諸国との窓口として重要な役割を担っているとの認識を示した。ポルトガルそのものは欧州の小国だが、ポルトガル語圏はかつて植民地だったラテンアメリカ、アフリカ、アジアに広がっており、市場規模の大きいブラジルや、天然資源が豊富なアンゴラ(石油)、モザンビーク(石炭、天然ガス)、東チモール(石油、天然ガス)などが含まれる。ポルトガルの首都リスボンには9カ国が加盟するポルトガル語諸国共同体の本部があり、依然として旧植民地諸国への一定の影響力を持つとされる。

マカオでは、中国への返還後も中国語と並びポルトガル語が公用語となっている。返還を機にポルトガル語教育が一時衰退していたが、最近になって中国が国策としてポルトガル語圏との関係強化を打ち出して以降、再びポルトガル語人材の育成が本格化している。近年、中国は天然資源の獲得、大型インフラ工事の受注、中国製品の輸出などを狙い、積極的な「アフリカ外交(途上国外交)」を展開している。

一方、中国と香港の旧宗主国である英国の関係は、今月予定されていた英国議員団による香港視察を中国側が拒否したとされる問題に関連してぎくしゃくしている。

マカオの旧市街地にあるポルトガル総領事館(資料)=2014年6月—本紙撮影

マカオの旧市街地にあるポルトガル総領事館(資料)=2014年6月—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  2.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  3.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  5.  マカオ政府統計調査局は11月20日、今年(2024年)1〜9月の小売業販売額調査結果を公表。 …

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun