中国外交部「ポルトガルは友好国かつ重要パートナー」=狙いは旧植民地への影響力?窓口役としてマカオに期待
- 2014/12/22 10:57
- 産業・経済
1999年12月20日にポルトガルから中国にマカオが返還されてから、今年(2014年)で15年目を迎えた。中国外交部の秦剛報道官は、ポルトガル国営ルーザ通信の取材に対し、現在の中国とポルトガルの二国間関係について「中国にとってポルトガルは友好国かつ重要なパートナーである」との認識を示した。マカオの月刊英字経済誌「マカオビジネス」が12月19日付電子版で報じた。
マカオについて、返還以降も中国とポルトガル語圏諸国との窓口として重要な役割を担っているとの認識を示した。ポルトガルそのものは欧州の小国だが、ポルトガル語圏はかつて植民地だったラテンアメリカ、アフリカ、アジアに広がっており、市場規模の大きいブラジルや、天然資源が豊富なアンゴラ(石油)、モザンビーク(石炭、天然ガス)、東チモール(石油、天然ガス)などが含まれる。ポルトガルの首都リスボンには9カ国が加盟するポルトガル語諸国共同体の本部があり、依然として旧植民地諸国への一定の影響力を持つとされる。
マカオでは、中国への返還後も中国語と並びポルトガル語が公用語となっている。返還を機にポルトガル語教育が一時衰退していたが、最近になって中国が国策としてポルトガル語圏との関係強化を打ち出して以降、再びポルトガル語人材の育成が本格化している。近年、中国は天然資源の獲得、大型インフラ工事の受注、中国製品の輸出などを狙い、積極的な「アフリカ外交(途上国外交)」を展開している。
一方、中国と香港の旧宗主国である英国の関係は、今月予定されていた英国議員団による香港視察を中国側が拒否したとされる問題に関連してぎくしゃくしている。