走行中の現金輸送車から7億円落下、通行人ら2億円以上持ち去り=香港のビジネス街
- 2014/12/25 9:43
- 香港・大湾区
12月24日午後、香港のビジネス街・ワンチャイ(灣仔)の幹線道路、グロセスターロード(告士打道)で、走行中の現金輸送車の後部ドアが突然開き、総額4500万香港ドル(日本円換算:約7億円)の現金が入った格納箱3個が次々と落下、路上に現金が散乱するという事件が発生した。警察が駆けつけ現場を封鎖するまでのおよそ10分間で、通行人らによって1523万香港ドル(約2億3千万円)が持ち去られたという。
この現金輸送車は、香港の大手警備会社G4Sが中国銀行(香港)から委託を受けたもので、香港島東部にある中国銀行の金庫から九龍半島のG4S本部まで現金を輸送する途中だった。現金輸送車には、1箱あたり1500万香港ドルの現金が入った格納箱を30個積んでおり、中身はすべて500香港ドル紙幣だった。走行ルートは事前に決められていたという。現金輸送車には、運転士1名、警備員3名が乗っており、香港島から九龍半島へ渡る海底トンネル付近で後部ドアが開いていることに気付いたが、格納箱がなくなっていることに気づいたのは目的地に到着した後とのこと。G4S社では、内部調査を進めていることを明らかにした。また、警察も特別チームを編成して捜査にあたっているとのこと。
白昼のビジネス街で発生した事件とあって、目撃証言も多数報告されている。まず、現場を通りがかった車が停まり、外国人風の男が黙々と拾い集めていたという。その後、およそ20人の通行人らが集まり、箱の中に残っていた50万香港ドル単位で帯封をしたものを持ち去った人もいるという。通行中のタクシーや、中国本土からのツアー客を乗せた観光バスが停車したとする声もある。
SNSで写真入りで「喜び」の投稿をした拾得者も複数おり、ネット上で非難の対象となっている。ネット上には、拾得者の投稿のキャプチャ画像や、現場周辺で札束を抱えた人の姿を撮影した写真が次々とアップされ、本人を特定する動きが進んでいる。
警察では、周囲の監視カメラの映像を分析するとしており、拾得した現金を速やかに警察に届け出るよう呼びかけている。24日夜までに、13人から約350万香港ドル(約5400万円)分の届け出があったという。