香港現金輸送車7億円落下事件、拾得者の届け出相次ぐ=散失2.3億円のうち7500万円戻る、ひとりで1500万円も
- 2014/12/25 18:13
- 香港・大湾区
12月24日午後、香港のビジネス街・ワンチャイ(灣仔)の幹線道路、グロセスターロード(告士打道)を走行中の現金輸送車の後部ドアが突然開き、総額4500万香港ドル(日本円換算:約7億円)の現金が入った格納箱3個が次々と落下、路上に現金が散乱するという事件が発生した。警察が駆けつけ現場を封鎖するまでのおよそ10分間で、通行人らによって1523万香港ドル(約2億3千万円)が持ち去られた。
警察では、この事件に関して特別捜査チームを編成、警備会社から事情を聞くなどして事件の経緯を調べるとともに、現金の拾得者に対して警察への届け出を強く呼びかけている。現金持ち去りは窃盗罪にあたるとし、警察は25日から事故現場周辺の聞き込みや、監視カメラ映像の分析を進めている。
香港警察当局によると、25日午後4時までに、27人の市民が警察署を訪れ、拾得した現金の届け出を行ったという。返還総額は480万香港ドル(約7500万円)で、依然として1000万香港ドル(約1億5500万円)が行方不明のまま。なお、ひとりで100万香港ドル(約1500万円)を届け出た拾得者もいたという。
白昼のビジネス街で発生した事件とあって目撃証言や現場に居合わせて一部始終を写真や動画で撮影した人も多いほか、SNSで写真入りで「喜び」の投稿をした拾得者も見受けられた。ネット上では「有志」たちによって拾得者の者と思われるSNSのキャプチャー画像や路上で現金を拾う姿が映った写真などが次々と投稿され、本人を特定する動きも進んでいる。
マカオの政府系放送局TDMが25日午前6時のラジオニュースで報じたところによると、取材時点では現金拾得者の中から逮捕者は出ていないとのこと。今後、警察による捜査の進展により、逮捕者が出る可能性もある。香港の法律では、窃盗罪の最高刑は懲役10年と規定されている。