15年香港長者番付、首位は17年連続李嘉誠氏、総資産4兆円=マカオのカジノオーナーは順位下げる
- 2015/1/10 11:45
- 産業・経済
米国の経済誌「フォーブス」が2015年版の香港長者番付を発表した。トップ50位の総資産は前年とほぼ同じ2360億米ドル(日本円換算:約28兆円)だった。首位は17年連続で大型コングロマリットの長江実業グループの李嘉誠会長だったが、マカオのカジノ売上の不調に伴う株価下落により、前年上位に食い込んだカジノオーナーらが大きく資産を減らし、順位を下げる結果となった。
フォーブス誌が発表した15年の香港長者番付で17連連続で首位に立った長江実業グループ会長の李嘉誠氏の総資産は335億米ドル(約4兆円)。李氏は1月9日、グループの大型再編を発表したことで大きな話題となっている。2位はヘンダーソン・ランド・ディベロップメント社(総合不動産ディベロッパー)会長の李兆基氏の250億米ドル(約3兆円)、3位はニュー・ワールド・ディベロップメント社(総合不動産ディベロッパー)創業者で宝飾大手の周大福グループ名誉会長の鄭裕彤氏の150億米ドル(約1.8兆円)、4位はサンフンカイ・プロパティーズ社(総合不動産ディベロッパー)創業家の郭炳江・郭炳聯兄弟の147億米ドル(約1.7兆円)。5位はマカオのカジノ運営企業のギャラクシー・エンターテイメント・グループと建設大手の嘉華建設の会長を務める呂志和氏の134億米ドル(約1.6兆円)。呂氏はマカオのカジノの好調を受けて株価が急上昇したことに伴い、前年は210億米ドル(約2.5兆円)で番付2位につけたが、昨年下半期以降マカオのカジノ売上の不調に合わせて株価も大きく下落したため、76億米ドル(約9千億円)分の資産が蒸発し、順位を落としたかたち。
マカオのカジノ関連では、シュンタック・グループ社長のパンジー・ホー氏が昨年から2ランクダウンとなる12位、資産は18億米ドル減の50億米ドル(約5900億円)となった。この他、パンジー・ホー氏の弟で、メルコ・クラウン・エンターテイメントの共同会長兼CEOを務めるローレンス・ホー氏が資産14億米ドル減となる20億米ドル(約2400億円)で、19ランクダウンとなる31位、SJMホールディングス取締役のアンジェラ・リョン氏が17.5億米ドル(約2100億円)で17ランクダウンとなる36位、STDM取締役の陳婉珍氏は、昨年の46位から50位圏外となった。この4人マカオのカジノ王と呼ばれるSJMグループ会長のスタンレー・ホー氏のファミリー。
マカオでカジノライセンス(サブライセンス方式含む)を持つ運営企業6社はいずれも香港証券取引所に上場している。昨年、6社の株価は34%下落し、時価総額およそ5700億香港ドル(約8.7兆円)分が吹き飛んだ。今年に入って以降もマカオのカジノ運営企業の株価は軟調。