マカオ政府、パンダ1頭「返却」の可能性に言及
- 2015/1/14 21:25
- 社会・政治
昨年(2014年)12月、中国の習近平国家主席がマカオ返還15周年記念式典などに出席するためマカオを訪れた際、中央政府からジャイアントパンダのつがいをマカオに贈ることが発表された。既存の1頭と合わせ、マカオのパンダは計3頭となる見通しとなった。
2009年の返還10周年の際、初めてマカオにつがいのジャイアントパンダが贈られた。その後、オスの開開(カイカイ)とメスの心心(シンシン)が2010年12月にマカオへ到着。コロアン島のマカオジャイアントパビリオンで飼育、展示を行ってきたが、今年(2014年)6月にシンシンが急性心不全で亡くなった。
今回、返還15周年を機にマカオに贈られるパンダもつがいとなり、カイカイの配偶ではないとされた。しかし、マカオ市民の間では、マカオ生まれのパンダの誕生への期待も高く、カイカイの体調も万全であることから、マカオジャイアントパンダパビリオンを運営するマカオ政府民政総署管理委員会の梁冠峰委員は昨年12月26日、中央政府に対し、もう1頭メスのパンダを追加要請したいとする考えを示していた。
ところが、その後事態が急転したようだ。マカオ政府行政法務庁の陳海帆長官は1月14日に記者会見を行い、カイカイの配偶となるパンダを追加要請する考えがないことを明らかにした。民政総署では、カイカイと新たにマカオへ贈られるつがいの計3頭を飼育する準備のみを進めているという。また、カイカイの配偶問題に関しても、つがいのパンダが到着した後、カイカイを中国本土へ戻すことも含め、専門家による検討を開始するとした。
マカオのパンダが最大4頭にまで増えると期待されたが、逆に最低2頭となる可能性も出てきた。専門家による検討を経た上でという前提とはいえ、返還10周年を記念して中国中央から「友好の証」として贈られたパンダを返却する可能性に言及したことは異例で、マカオメディアが一斉に速報した。