香港政府、投資移民制度を一時休止=約1.5億円で香港居留権、中国人申請者が最多

香港特別行政区の梁振英行政長官は1月14日午前11時から2015年度の施政方針演説を行った。この中で、翌1月15日から投資移民制度を一時休止することを明らかにした。

香港の投資移民制度(正式名称:資本投資者入境計画)は2003年10月27日からスタート。香港で一定額以上の不動産などへ投資したものに対し、香港の居留権を付与するというもの。投資額の下限は当初650万香港ドル(日本円換算:約9900万円)だったが、2010年10月から1000万香港ドル(約1億5200万円)に引き上げられた。

梁行政長官は、投資移民制度を一時する理由として、現在香港が資金不足の状況にないことを挙げた。また、今後は優秀な人材の香港への流入を促す移民制度を拡大したい考え。

投資移民制度によって香港が吸引した資産は、これまでの11年間で2000億香港ドル(約3兆400億円)を超えるという。投資移民制度を利用した香港居留権申請成功者のうち最も多かったのは、すでに海外永住権を獲得している中国人で、2万1822件に上るという。

投資移民制度をめぐっては、香港の不動産価格が高止まりする要因の1つともいわれていた。一方、香港では、投資額の下限を1500万香港ドル(約2億2800万円)程度に再引き上げし、制度そのものは継続するとの予想もあり、突然の一時停止発表に高い関心が集まっている。

マカオでも香港同様の投資移民制度があったが、2007年に一時停止が発表され、現在まで再開されていない。

香港を代表するビジネス街の1つ、灣仔(ワンチャイ)地区の町並み(資料)—本紙撮影

香港を代表するビジネス街の1つ、灣仔(ワンチャイ)地区の町並み(資料)—本紙撮影

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