マカオの不法滞在者およそ5万人、94%が中国人=14年
- 2015/2/14 21:09
- 社会・政治
マカオ保安庁の黃少澤長官は2月14日、昨年(2014年)の犯罪情勢に関する記者会見を行った。この中で、マカオの不法滞在(不法上陸、オーバーステイ)者数が前年比12%増、過去最高水準となる4万9500人超だったとする最新統計を発表した。
不法滞在者のうち、中国本土からの不法上陸者が約1400人、中国の個人旅行ビザ保有者によるオーバーステイが約4400人、その他中国旅券またはビザ保有者によるオーバーステイが約4万800人で、不法滞在者全体の実に約94%を中国本土出身者が占めた。なお、中国以外の第三国・地域出身者のオーバーステイは約2800人。
マカオは1999年12月20日にポルトガルから中国へ返還され、中華人民共和国マカオ特別行政区となったが、以後も独自の入境管理や通関事務を行っている。2003年に中国本土から香港、マカオを訪れるための個人旅行者向け入境許可証の発給をスタートしたが、渡航頻度、滞在期限などに制限が多いことなどから、不法出入境を手引きする「蛇頭」も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。
ちなみに、日本の法務省が発表した昨年(2014年)1月1日現在の日本の不法残留者総数は前年比4.8%減の5万9061人。このうち中国籍が全体の14.0%を占める8257人。
昨年9月末時点のマカオの人口は約63万人、面積は山手線の内側の半分とほぼ同じ30.3平方キロメートル。2014年に中国本土からマカオを訪れた旅客数はのべ約2100万人。