中国の「捨て子」年間10万人=赤ちゃんポスト開設も一部で運営限界

中国国家衛生・計画出産委員会科学秘術研究所の所長を務める馬旭氏によると、近年、中国では「棄嬰(=捨て子)」が大きな社会問題になっているという。最新統計で今年の中国本土における遺棄嬰児数が10万人を超えたことが明らかになったとのこと。1980年代には5000人程度だったことから、およそ20年で20倍にまで急増したことになる。

マカオの日刊紙「澳門日報」が3月5日付紙面で香港中通社電を引用して報じた。中国では、遺棄される嬰児を救済するため、2013年になって中国全土の数十か所に「棄嬰安全島(=いわゆる「赤ちゃんポスト」)が開設された。しかし、遺棄数が急増したことから、広東省広州市の施設では開設後50日で「重責に堪えられない」との理由で受け入れを停止するなど、運営の限界に直面している施設もあるという。

馬所長は、遺棄嬰児安全島は資金面の問題にも直面していると指摘する。また、遺棄される嬰児のうち、99%が生まれながらの障がいや病気を抱えている現状から、遺棄嬰児の救済だけではなく、産前診断がより重要であると語っている。大気や水質など環境悪化による人体への影響も想定されるにもかかわらず、農村部や都市部の出稼ぎ労働者といった低所得者層の中には、お金がかかることを理由に産前検査を受けない妊婦も多いという。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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