マカオ経済の屋台骨ともいえるカジノ売上が昨年(2014年)6月から今年2月まで9ヶ月連続で前年割れとなっている。一方、3月6日に発表された最新の労働統計では、カジノ従業員数、給与ともに増加しており、今のところ雇用へのマイナス影響は見受けられないようだ。
マカオ政府統計調査局が3月6日に発表した昨年(2014年)12月末時点のカジノ業人材・報酬調査(カジノ仲介人及びカジノ仲介人パートナー=いわゆる「ジャンケット」除く)によると、マカオのカジノ従業員数は前年同期比3.4%増の5万8524人となり、このうちカジノディーラーがが2.0%増の2万5752人を占めた。
同期のマカオの総人口は63.6万人、就業人口は39.78万人で、実におよそ人口の10人に1人、就業者の7人に1人がカジノ従業員となっている。
カジノ従業員全体の平均月額給与(ボーナス、補助除く)は8.2%増の2万680パタカ(日本円換算:約31万2800円)で、このうちカジノディーラーに限ると7.7%増の1万8000パタカ(約27万2200円)だった。
同期の全業種を対象とした平均月額給与は1万4000パタカ(約21万1700円)となっており、カジノ従業員の給与水準の高さが目立つ。
大型カジノ・IR(統合型リゾート)施設運営各社は、昨今のカジノ売上の減を理由としたリストラを実施する考えは一切ない考えを相次いで発表している。今年5月以降、コタイ地区を中心に大型IR施設のオープンラッシュがスタートし、およそ1万6000人分の新規雇用が創出される見込みため、各社とも高待遇による人材の囲い込みについて積極的な姿勢を維持しているようだ。