香港を訪れる中国人団体客激減、ディズニーランドツアー大幅値下げも=地元住民とのトラブル多発でイメージ悪化

昨今、香港各地で「水貨客」と呼ばれる中国本土からの買い出し客と地元住民の間の衝突が多発している中、華南地区の大手旅行社では、ここ半月の間に香港を訪れる団体ツアーの参加者が前年同期比3割超の急激な減少に見舞われているとのこと。

近年、中国とのボーダーに近い香港の新界エリアの繁華街に中国本土からの買い出し旅客が殺到し、生活必需品の品薄や価格上昇、交通機関の混雑などを引き起こしていることに対する地元住民の間で不満が高まっており、一部には取り囲みや暴言を浴びせるなどの暴力行為も見受けられる状況。

香港の日刊紙「明報」が3月23日付紙面で報じた内容によると、同旅行社の今年3月1日から20日までの間の香港・マカオツアー参加者は4596人で、前年同期比33%の大幅減、直近5年間で最低を記録したという。3月後半に入って盛り返しつつあるが、それでも月間で前年比4割超の減少を見込んでいるとのこと。同社関係者によると、人気の高い香港ディズニーランド公式ホテルに宿泊する1泊2日ツアーの価格を従来の2700人民元(日本円換算:約5万2000円)からおよそ3割の値下げとなる1880人民元(約3万6000円)で販売せざるを得ない状況という。

香港観光業議会総幹事の董耀中氏によると、中国本土旅客と香港住民との間でのトラブルが目立った影響を受け、3月初頭に香港を訪れた中国本土からの団体客は前年から1日あたり170組にまで落ち込んだという。前年は470組だったことから、かつてない激減だとしている。また、香港を訪れる中国本土団体客急減の理由について、一部による過激な「反貨水客」運動の影響により、香港全体が中国本土旅客を歓迎しない街というイメージを持たれたためとしている。

香港ディズニーランド・リゾートへ向かう鉄道の案内板(イメージ)=香港・MTR欣澳駅

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