マカオの約半分で1時間半の停電=都市機能マヒ、返還後最大規模

昨日(4月15日)午前10時56分からおよそ1時間半、マカオで大規模停電が発生した。停電範囲はマカオ半島の住宅街、ビジネス街の大部分に及び、日常生活と商業活動に大きな影響が及び、平日昼間のマカオの都市機能が一時マヒ状態となった。エレベーター内に閉じ込められた人も多数いた。

マカオ電力及びマカオ政府発表の情報を総合すると、今回の停電事故の直接の原因はマカオ半島北部にある鴨涌河高圧変電所内の設備でショートによる故障が発生したためという。この影響がマカオ全体の3分の1にあたる他の変電所に及んだことから、大規模停電を引き起こした。今回、マカオの電力契約数の42%に相当する10万戸が停電したといい、1999年のマカオ返還後最大規模の事故となった。

マカオでは電力のおよそ9割を中国本土から「輸入」しているが、今回の停電を受けてコロアン島とタイパ島にある火力発電所をフル稼働させるなどの緊急対応を行った。停電発生からおよそ1時間後の11時55分から電力供給が段階的に始まり、12時20分には全面復旧したという。

また、停電中にエレベーター内の閉じ込めが75件発生し、警察と消防が救助活動を展開。救助された人のうち4人が病院へ搬送されたという。当日午前、消防の緊急電話に不具合が発生していたことから、混乱が拡大するというタイミングの悪さもあった。このほか、特に人的被害の報告はないが、営業注視を余儀なくされたり、冷蔵庫の食材に被害が及んだ商店からは大きな損害が出たとの嘆きの声が上がっている。カジノは予備電源で営業を継続したという。

なお、直接の事故原因となった変電所については、2008年に運用を開始した比較的新しい施設。年に一度の定期検査を実施しており、直近の検査は今年3月だったという。マカオ電力では、1ヶ月以内に詳細な事故原因に関する報告を行うとしている。

返還後最大規模となった停電事故に関してマカオ政府の関連部門が合同記者会見を開催=4月15日(写真:GCS)

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