中国華東部、約半数の子供の尿から抗生物質=環境汚染深刻

このほど、中国の複旦大学公共衛生学院が「中国華東部にあたる江蘇省、浙江省、上海市の多くの子供たちが抗生物質まみれだ」とする研究内容を明らかにしたことについて、現地で高い関心が寄せられているという。

マカオの日刊紙「澳門日報」が4月17日付紙面で中国本土メディアの報道を引用して報じた。研究はおよそ1年に渡って江蘇省、浙江省、上海市に食わす8〜11歳の児童およそ1000人を対象に実施されたもの。児童らの尿の成分を分析した結果、全体の58%の児童の尿から1種類、4分の1から2種類以上の抗生物質が検出されたという。また、検出された抗生物質は6種類に及び、このうち3種類については一般的に家畜専用とされる抗生物質だったとのこと。

研究スタッフによると、長期に渡って抗生物質が体内に残存することにより、児童の発育に悪影響を及ぼす恐れもあるという。また、児童の尿から検出された抗生物質は臨床治療で使用されているものではなく、食品などを通じて摂取された可能性が高いとみられ、土壌や水といった周辺環境の深刻な抗生物質汚染に注目すべきとしている。

中国では牧畜業、水産養殖業における抗生物質の乱用が見受けられることから、専門家らが相次いで警鐘を鳴らしている。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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