香港で長年にわたって寿司職人として活躍し、現地で多くの弟子を育てたことで知られる西村弘美さんが8月12日、療養先の京都で亡くなったことが分かった。享年71歳、死因はがんという。

香港の日刊紙「アップルデイリー」が8月14日付電子版で報じた記事によると、西村さん1976年に日本料理店「金田中」香港店のオープンの際に香港へ赴任。その後、独立してマルコポーロ香港ホテルに「西村」、リーガルカオルーンホテルに「美村」、チャイナホンコンシティに「福村」を構え、寿司をはじめとした正統派日本料理の普及に努めるとともに、広東語を使って叱咤激励しながら現在香港の日本料理界で活躍する多くの弟子を育てた。スタッフからは「オヤジさん」と呼ばれ親しまれていたという。

このニュースを報じた「アップルデイリー」のフェイスブックページには香港で西村さんの寿司を味わったことがあるという多くのユーザーから感謝と哀悼の意を示すメッセージが寄せられている。

マカオのイベントで寿司を握った西村弘美さん＝2013年7月—本紙撮影