マカオ、不正行為のカジノディーラーら逮捕…客を装った恋人にチップ盛る

マカオ司法警察局は6月19日、不正行為によりカジノ運営企業に損失を与えたとして、マカオ半島新口岸地区のカジノ施設に勤務するマカオ人のカジノディーラー職の男(30)及び中国本土出身の無職の女(37)の2人を業務上横領の疑いで逮捕、送検したと発表した。2人は恋人同士の間柄だったとのこと。

警察発表によれば、同月14日、ディーラー職の男が担当するバカラテーブルに客を装った女が着席。女が額面1000香港ドル(日本円換算:約1万4000円)分のゲーミング(カジノ)チップ5枚をテーブルに置き、ディーラーが5000香港ドル(約7万円)分のチップ3枚と交換したところをカジノ監視部門のスタッフが発見し、警察に通報したとのこと。

その後の調査で、2人は同じ日に同様の両替に見せかけてチップを盛る手口で5回に渡って不正にチップを授受し、その合計は6万7000香港ドル(約93万8000円)に上る。

警察の調べに対し、女は犯行を否認。ディーラーの男は今年(2018年)5月以降、女と女の仲間の別の男に対し、少なくとも6回にわたり、合計22万香港ドル(約308万円)分のチップを盛ったことを認める供述をしているとのこと。また、女が盛られたチップを受け取る一部始終は監視カメラ映像ではっきり確認でき、女の所持品から12万香港ドル(約168万円)分のチップが見つかったとした。警察では、引き続き仲間とみられる男1人の行方を追っているという。

マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚10万香港ドル(約140万円)以上の高額チップも存在する。

チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

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