マカオで今年初の在郷軍人病感染者確認…患者は76歳の韓国人男性旅客
- 2019/1/16 11:49
- 社会・政治
マカオ政府衛生局は1月15日夜、マカオで今年初となる在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表した。
SSMが発出したプレスリリースによれば、患者はマカオを滞在中の韓国人男性旅客(76)で、慢性疾患があるとのこと。12月16日にマカオで暮らす娘を訪問するためマカオ入り、1月8日に発熱、咽頭痛などの症状が現れたといい、11日に息切れの症状が出たため、私立の大型総合病院にあたる鏡湖醫院を受診。翌12日になっても症状が続いたため、同院を再び受診し、胸部X線検査の結果、肺炎とわかり、入院が決まった。その後、13日に尿検査の結果が明らかとなり、在郷軍人病に感染していることが確認された。目下、患者の容体は安定しているという。
なお、患者はSSMの聞き取り調査に対し、マカオ滞在中ずっと娘の家に滞在しており、潜伏期間となる発病前の10日間にマカオを離れたことはなかったと話しているとのこと。同居の家族に類似の症状は見受けられないとした。
在郷軍人病はレジオネラ菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。昨年(2018年)マカオで確認された在郷軍人病感染者数は5人だった。このうち潜伏期間中に海外渡航歴がなかった患者は2人。