日本版IRや日系カジノ機器メーカーが注目集める…マカオの国際カジノ見本市「MGSエンターテイメントショー2019」に過去最多の2万人来場

 マカオ・コタイ地区の大型IR(統合型リゾート)ヴェネチアンマカオコタイエキスポホールで11月12日から4日間にわたって大型国際ゲーミング(カジノ)見本市「MGSエンターテイメントショー2019」が開催された。

 主催者が11月15日午後発表したプレスリリースによれば、4日間累計の来場者数は前年から約2割増となる延べ約2万人に達したとのこと。会場フロア面積、出展ブース数、さらには出展企業とバイヤーのビジネスマッチング数も含めて過去最大規模となり、成功を収めたと総括した。バイヤーはマカオの大型IR(統合型リゾート)運営企業が主だったという。

 MGSエンターテイメントショーは地元マカオのゲーミング機器製造業者の組合にあたる澳門娯楽設備廠商会(MGEMA)の主催で2013年にスタートし、今年で7回目の開催。

 MGSエンターテイメントショーには、スロットマシンメーカー及び関連機器やシステム、ゲーミングチップやプレイングカード(トランプ)などのカジノ用品、VIPルームなどを運営するカジノ仲介業者といったゲーミング関連業界のほか、IT、ショービジネス、飲食、サービス、什器、メディア、カジノ関連学科やディーラー養成コースを持つ教育機関まで、世界各地から幅広い企業・団体などが出展。また、併設会場でアジアのゲーミング業界の最新動向をテーマにしたセミナーやパネルディスカッションも行われ、アジアのゲーミング業界における最新トレンドやキーパーソンが一堂に会する情報及び人材ハブ機能も果たしている。

 エキジビション会場で大型ブースを展開していたのが世界各地のゲーミング(カジノ)機器メーカーだ。中でも、マカオのカジノに次々採用されているLMGと呼ばれるライブ中継型ゲーミングシステムのリーディングカンパニーとして知られる地元マカオのメーカー、LT GAME社は会場内最大規模のブースを構えた。LMGシステムを中心に、スロットマシン、ETGと呼ばれる各種電子テーブルゲームマシン、競馬ゲームマシンなど、幅広いラインナップを出展。LT GAME社は日本にも開発拠点を有することで知られる。昨年のMGSエンターテイメントショーでは、LT GAME JAPAN社が日本ならではのアイデアや技術を活用して開発した画期的なビデオスロット「RGX-1000」シリーズの最新作として、バンダイナムコの著名ゲームタイトル『鉄拳』とのコラボバージョンを世界初公開し、来場者から大きな注目を集めたことは記憶に新しい。今回も、鉄拳コラボバージョンを含む「RGX-1000」シリーズをはじめ、プレミアム・ゴールド・キャビネットと銘打った可動式の扇をタッチパネルを使いバカラの「絞り」のようにめくることができるギミックを搭載した同シリーズの新作マシンやシックボウ(大小)のETGマシン「MORI DICE」を披露した。開発担当者によれば、マカオをはじめ、広くアジアでの展開を視野に入れているといい、引き合いも多く手応えを感じているとのこと。LT GAME社ブースは、来場者からの投票により選出される「2019イノベーション&クリエイティビティ・アワード」において、ブースデザイン賞も獲得した。

LT GAME JAPANが出展したスロットマシン「RGX-1000」シリーズ=2019年11月12日、MGSエンターテイメントショー2019会場にて本紙撮影

LT GAME JAPANが出展したスロットマシン「RGX-1000」シリーズ=2019年11月12日、MGSエンターテイメントショー2019会場にて本紙撮影

 日系の出展者については、ゲーミングマシンメーカーのアルゼゲーミング、コナミオーストラリア、セガサミークリエイション、紙幣識別機のJCMグローバル、トランプ製造のエンゼルプレイングカードマカオなどがブース出展。数年ぶりの出展となったセガサミークリエイションの広報担当者によれば、マカオにおける同社製ETGの稼働が着実に増えているとのこと。同社ではセガのオリジナルIPを活用したスロットマシンも展示した。

 また、本紙既報の通り、会期2日目にはエキジビションフロアに特設されたサミット会場において日本版IRをテーマとしたプレゼンテーション及びパネルディスカッションが2時間にわたって開催。MGSを主催するMGEMA副会長を務める木村寿一氏の尽力により、IR誘致に名乗りをあげる自治体、そして日本を代表する複数の有識者の登壇が実現。旬のトピックとあって、マカオ及び日本を含むアジアのゲーミング業界及びメディア関係者を中心に、日本版IRに関心を持つ多くの聴衆が駆けつけた。マカオは世界最大のカジノ売上を誇る都市として知られるが、マカオで大型IRを展開する複数のIR運営事業者らが新たな商機を求めて日本進出意向を示すほか、マカオ政府や地元メディアも含めて日本版IRの動向に関する注目度は非常に高い。

 主催者は、MGSエンターテインメントショーが業界内における最新情報の交流、ビジネスマッチングの重要なプラットフォームとして機能しているとし、来年もより素晴らしいショーを目指すとの意向を示した。

LT GAME JAPANが出展したシックボウのETGマシン=2019年11月12日、MGSエンターテイメントショー2019会場にて本紙撮影

LT GAME JAPANが出展したシックボウのETGマシン=2019年11月12日、MGSエンターテイメントショー2019会場にて本紙撮影

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