マカオ、19年11月のインバウンド旅客数 対前年10.9%減の約291万人…1〜11月累計は12.7%増の3632万人、前年通期上回る

 マカオ政府統計調査局は12月26日、今年(2019年)11月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。月次のインバウンド旅客数は前年同月から10.9%減の291万0118人(延べ、以下同)だった。

 今年11月のインバウンド旅客全体のうち、宿泊を伴う旅客は前年同月から11.4%減の140万8407人、日帰り旅客は10.5%減の150万1711人。日帰り旅客が全体に占める割合は51.6%。旅客の平均滞在時間は横ばいの1.2日で、宿泊を伴う旅客は0.2日延びて2.4日、日帰り旅客は横ばいの0.2日だった。

 国・地域別で最多だったのは中国本土旅客で、11.1%増の203万0742人。個人旅客に限ると14.9%減の89万8715人。中国本土旅客が全体に占める割合は69.8%。

 その他の国・地域では、人数が多い順に香港が3.4%減の57万1071人、台湾が1.1%増の8万3006人、韓国が36.5%減の4万2968人、フィリピンが9.1%増の3万3942人、マレーシアが28.8%減の1万9826人、日本が48.0%減の1万7969人。

 入境ルート別では、陸路が5.9%減の217万8088人。陸路の内訳では、マカオ半島北部の關閘が3.3%減の161万0968人、港珠澳大橋が19.8%減の35万0259人。港珠澳大橋という新たな競合ルートが現れたこともあり、海路は39.0%の大幅減となる41万3775人にとどまった。空路は16.7%増の31万8255人。

 前年同月からのマイナス要因として、港珠澳大橋の開通(昨年10月24日)から1年が経過し、ブームが落ち着いたこと、昨今の香港情勢の深刻化に伴い、香港とセットでマカオを訪れる需要に影響が及んだことなどが挙げられる。

 今年1〜11月累計の訪マカオ旅客数は前年の同じ時期から12.7%増の3632万2775人。宿泊を伴う旅客は2.4%増の1715万7057人、日帰り旅客は23.8%増の1916万5718人。国・地域別では中国本土旅客が13.2%増の2582万8409人で、全体の71.1%を占めた。その他の国・地域では、人数の多い順に香港が18.6%増の669万8965人、台湾が1.6%増の98万3641人、韓国が5.4%減の69万6123人、フィリピンが38.8%増の37万5940人、日本が5.4%減の27万7112人。

 昨年通期のインバウンド旅客数は過去最多の3580万3663人となっており、すでに今年は11月終了時点でこれを上回った。

 なお、マカオのカジノ監理当局DICJが12月1日に公表した資料によれば、今年11月の月次カジノ売上は前年同月から8.5%減となる228.77億マカオパタカ(日本円換算:約3131億円)、1〜11月累計では2.4%減の2696.17億マカオパタカ(約3兆6896億円)で、インバウンド旅客数増による効果は限定的だったことが伺える。

港珠澳大橋のマカオ側と香港側のイミグレーション施設と往来するシャトルバスに乗り込む乗客=2018年10月24日、港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設内(写真:GCS)

港珠澳大橋のマカオ側と香港側のイミグレーション施設と往来するシャトルバスに乗り込む乗客=2018年10月24日、港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設内(写真:GCS)

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